5月18日から20日まで、河口湖を発着地点として開催された「第1回UTMF(Ultra Trail Mt,Fuji)」の模様がNHKテレビに流れた。「走行距離156km、累積標高8500m、制限時間48時間」と、気が遠くなるような耐久レースに852名(男777、女75)が挑戦し、611人(男562、女49)が完走した。
途中棄権したあるランナーが、「頑張るお父さんの姿を子供に見せたかった」とインタビューに答えた。そのあとの父と子供のやりとりを映像が捉えていた。
「お父さん頑張ったろ」と同情をひく父に、息子は「どうして止めちゃうの」と問い返した。「これ以上、無理だもの」。「ふーん、それなら最初から走らなきゃいいのに」。「・・・・・」。
幼子には、父親の思いが通じる筈も無く、同情する。しかし、何事も通じなくては、徒労に過ぎない。トレイル・ランに限らず、マラソン競技は、自分自身への挑戦であり、他人に頑張る姿を見せることが目的ではない。その基本精神をわきまえておかないと、挫折を味わうことになる。