1941年春、ソ連の支配下にあったウクライナのボルタヴァ。アブラーシャはバイオリンで、ラリッサはピアノで、神童と呼ばれていたユダヤ人の少年と少女がいた。2人の演奏に感動したバイオリンを弾くドイツ人の少女ハンナは、2人と友達になり、一緒に演奏をしたいと両親を説得する。
3人の間に友情が芽生え始めたころ、ドイツは1939年8月に締結した“独ソ不可侵条約”を破り、ウクライナを爆撃する。ドイツ人であるハンナの家族は危機にさらされるが、アブラーシャとラリッサの家族に助けられる。だがドイツ軍が侵攻して来て状況が逆転し、今度はユダヤ人であるアブラーシャやラリッサの家族がハンナの一家にかくまわれる。やがて2人とその家族は見つかり、彼らの家族は強制収容所送りになるが、ナチス親衛隊の大佐は、ヒムラーの誕生祝賀会で完璧な演奏をしたら2人を収容所送りから免除してやると伝える。
隠れ家でラリッサが「ハンナは敵になるの?」という問いに、アブラーシャが「大人はバカだからさ」と答える場面がある。バイオリンとピアノという音楽を通して、ユダヤ人とかドイツ人とか、民族や人種に関わりなく育んできた、3人の友情を壊そうとする理不尽で身勝手な大人への怒りが静かに伝わってきた。
のどかな村の平和な暮らしが、ある日突然飛来した戦闘機の爆撃で破壊され、戦争の恐怖が広がっていく。あぁ、戦争ってこんな風にあたりまえの生活を壊すところから始まるのだな、だから常から「平和を欲するなら平和に備える」ようにしなければいけないとつくづく思った。(久)
原題:WUNDERKINDER
監督:マルクス・O・ローゼンミュラー
脚本:マルクス・O・ローゼンミュラー、スティーブン・グランツ、ロルク・シューベルト、クリス・カラトマス
撮影:ローマン・ノボツィエン
出演:エリン・コレフ、イーモゲン・グレル、マティルダ・アダミック
3人の間に友情が芽生え始めたころ、ドイツは1939年8月に締結した“独ソ不可侵条約”を破り、ウクライナを爆撃する。ドイツ人であるハンナの家族は危機にさらされるが、アブラーシャとラリッサの家族に助けられる。だがドイツ軍が侵攻して来て状況が逆転し、今度はユダヤ人であるアブラーシャやラリッサの家族がハンナの一家にかくまわれる。やがて2人とその家族は見つかり、彼らの家族は強制収容所送りになるが、ナチス親衛隊の大佐は、ヒムラーの誕生祝賀会で完璧な演奏をしたら2人を収容所送りから免除してやると伝える。
隠れ家でラリッサが「ハンナは敵になるの?」という問いに、アブラーシャが「大人はバカだからさ」と答える場面がある。バイオリンとピアノという音楽を通して、ユダヤ人とかドイツ人とか、民族や人種に関わりなく育んできた、3人の友情を壊そうとする理不尽で身勝手な大人への怒りが静かに伝わってきた。
のどかな村の平和な暮らしが、ある日突然飛来した戦闘機の爆撃で破壊され、戦争の恐怖が広がっていく。あぁ、戦争ってこんな風にあたりまえの生活を壊すところから始まるのだな、だから常から「平和を欲するなら平和に備える」ようにしなければいけないとつくづく思った。(久)
原題:WUNDERKINDER
監督:マルクス・O・ローゼンミュラー
脚本:マルクス・O・ローゼンミュラー、スティーブン・グランツ、ロルク・シューベルト、クリス・カラトマス
撮影:ローマン・ノボツィエン
出演:エリン・コレフ、イーモゲン・グレル、マティルダ・アダミック