前作公開から10年、お話しの中身はおよそ数年後を設定している。
舞台はエーゲ海に浮かぶギリシャのカロカイリ島。どこまでも青い海と青い空!
母ドナ(メリル・ストリープ)の夢であったホテルを遂に完成させた娘ソフィ(アマンダ・セイフライド)がオープニングパーティの準備に追われている。
夫のスカイはホテルビジネスを短期間学びに行ったニューヨークでの暮らしと将来に魅力を感じ、ソフィは母の夢にこだわり、二人は気持ちのすれ違いを感じている。
(ここの二人の演出がなかなかうまい!映画ならではのシーンの切り替えが、舞台版との違いか)
嵐の到来で飾り付けたパーティはめちゃくちゃに。
それでも招待客を迎える中で、ソフィは新しい命が宿ったことを知り、そこから母のドナの若き日の暮らしに思いをはせ・・・・・・
前作で、ドナが3人の男性と出会い、その誰かがソフィの父らしい・・・・・
「まあ、なんと破廉恥な!」
と言えなくもないお話しだった。
劇団四季の舞台版でお馴染みだったが、うちの地元の中学校では修学旅行で鑑賞したらしい。そして大好評だったと。
前作の映画を観た時に「何という話を中学生に見せたのよ!」と、半ば呆れる思いもあったが、10年前、10代半ばだった娘も大喜びでこの映画を一緒に観たっけ。
ちょっと複雑な気もしたなあ。
その若き日のドナと3人の男性、ハリー、ビル、サムとの出会いを、一人ずつ丁寧に描いていく。
若き日のドナを演じたリリー・ジェームズがとても生き生きしている。歌もうまい!それが今回の大きな収穫。
オックスフォード大学の卒業式のシーンから、ABBAの音楽が絶好調。
アマンダの歌が上手なのは「レ・ミゼラブル」でも証明済み。今回、ずいぶん大人になったアマンダを見られた。
唐突と言えなくもない、ドナの母ルビー(シェール)。しかし、圧倒的な存在感でもって登場。
シェールという大物歌手を知らなかったのは恥ずかしいが、素晴らしい歌唱力。御年72歳とのこと。
若き日のドナのセリフの中に、「ステージが忙しくて、学校には来てくれたことがない、卒業式だって期待していない」とあった。
前作ではどうだったっけ・・・・・その矛盾はちょっと横へ。
ルビーの昔の恋人だったという、ホテルの支配人をアンディ・ガルシアが。
(私にとってのガルシアは「愛と死の間で」で色気のある新聞記者役が特に印象深い)
キューバ出身のガルシアと大御所歌手シェールの歌う「悲しきフェルナンド」がまた素晴らしい。
映画のありがたいところは歌詞の日本語訳が出るところ。
ああ、こういう歌だったのかと、改めて意味を知って感動する。
若きドナがどうやってこの島に定着したのか。
やがて父親の判明しないまま、ソフィを身ごもり、一人でお産も・・・・・
そこはちょっとネタバレになるけれど、感動のシーンもありつつ・・・・・
それはドナがこの島に受け入れられていたことの大きな証であり。
笑って、歌って、踊って・・・・・ラストで大いに泣かされる。
若きドナ、ソフィ、そしてメリル演じるドナの神々しさ。
母と娘の絆を見せてくれる。
エンドロールの楽しさもたまらない。
よくぞ雰囲気の似た俳優さんを見つけてきたものよ!並んで歌う姿にしみじみ。
ミュージカル映画の真骨頂を見た思いがする。
2作目は失敗する!と、「銀魂2」の冒頭でも自嘲気味に語っていたけれど、銀魂同様、そのジンクスは大きく裏切られた。
映画館の一番後ろの席を確保すべきだったとしばし後悔。
だって、踊りたくなる!踊れないけど・・・・・体は動く
歌いたくなる!歌詞はあやしいけれど、メロディは口ずさめる!
今流行りの「応援上映」だったら、きっと歌いだしていた!
ああ、やっぱりABBA世代だったかと・・・・・
サントラ盤CDは絶対買わなきゃ。
(アロママ)
原題:MAMMA MIA!-HERE WE GO GAIN-
監督、脚本:オル・パーカー
撮影:ロバート・イェーマン
出演:アマンダ・セイフライド、リリー・ジェームズ、ピアース・ブロスナン、コリン・ファース、ステラン・スカルスガルド、シェール、メリル・ストリープ他