三谷幸喜が17年ぶりに書き下ろした小説を、自ら脚本を書き、監督した初の時代劇。出演する俳優陣の豪華さと、歴史好きには承知の展開ながら、登場人物が可笑しく繰り広げるストーリーに、2時間を越える上映時間が気にならなかった。
1582年6月2日、天下統一をめざす織田信長が本能寺で家臣の明智光秀の謀反により殺される。信長の長男・信忠は父とともに亡くなり、残った家臣団が清須城に集まり、織田家の5宿老で会議を開き、後継者を選ぶことになる。筆頭宿老の柴田勝家は丹羽長秀とともに三男信孝を、いち早く光秀を討ちとった羽柴秀吉は次男信雄を推す。
豪放磊落な武将ではあるが政治的センスがゼロな勝家、人心掌握の才に長けている秀吉、勝家を後ろから操縦してなんとか秀吉の台頭を防ごうとする長秀。勝家・秀長側に付くはずの滝川一益は関東に出張っていて会議に間に合わず、残るは優柔不断な池田恒興。双方とも恒興を味方につけようとあれこれと条件を提案。秀吉からの美味しい提案に比べ、政治オンチの勝家の提案に笑ってしまう。確かに美味しい提案(越前かになど)ではあるが、こんな場合相手が望んでいるのはそんなものではないはず。
登場人物を三谷幸喜流にカリカチュアライズして“信長の後継者選びレース”を面白おかしく見せてくれた。
織田信長という人は自ら決断し行動する人物だったが、信長亡き後の織田家の後継者決定は、織田家の重臣による話し合いで決定されるというのはなんとも皮肉である。もっとも父親が絶大な権力を持っており、周りに優秀な人材が集まっていた織田家にあっては、親族が自分たちで後継者を決めても、いずれは重臣たちの飾り物になるか、下剋上で織田家が滅亡する運命だっただろう。(久)
原作・監督・脚本:三谷幸喜
撮影:山本英夫
出演:役所広司、大泉洋、佐藤浩市、大日向文世、鈴木京香
1582年6月2日、天下統一をめざす織田信長が本能寺で家臣の明智光秀の謀反により殺される。信長の長男・信忠は父とともに亡くなり、残った家臣団が清須城に集まり、織田家の5宿老で会議を開き、後継者を選ぶことになる。筆頭宿老の柴田勝家は丹羽長秀とともに三男信孝を、いち早く光秀を討ちとった羽柴秀吉は次男信雄を推す。
豪放磊落な武将ではあるが政治的センスがゼロな勝家、人心掌握の才に長けている秀吉、勝家を後ろから操縦してなんとか秀吉の台頭を防ごうとする長秀。勝家・秀長側に付くはずの滝川一益は関東に出張っていて会議に間に合わず、残るは優柔不断な池田恒興。双方とも恒興を味方につけようとあれこれと条件を提案。秀吉からの美味しい提案に比べ、政治オンチの勝家の提案に笑ってしまう。確かに美味しい提案(越前かになど)ではあるが、こんな場合相手が望んでいるのはそんなものではないはず。
登場人物を三谷幸喜流にカリカチュアライズして“信長の後継者選びレース”を面白おかしく見せてくれた。
織田信長という人は自ら決断し行動する人物だったが、信長亡き後の織田家の後継者決定は、織田家の重臣による話し合いで決定されるというのはなんとも皮肉である。もっとも父親が絶大な権力を持っており、周りに優秀な人材が集まっていた織田家にあっては、親族が自分たちで後継者を決めても、いずれは重臣たちの飾り物になるか、下剋上で織田家が滅亡する運命だっただろう。(久)
原作・監督・脚本:三谷幸喜
撮影:山本英夫
出演:役所広司、大泉洋、佐藤浩市、大日向文世、鈴木京香