「半沢直樹」「下町ロケット」「陸王」等の池井戸潤原作小説の初の映画化作品である。初の映画化からだろうか、主役級の俳優が脇役を固めるという贅沢な配役で、これぞ、エンターテイメント作品である。理屈抜きに楽しめた。
演出も、いくつかのテーマを持ちながらも、きちんと纏まっていて、難解にはなっていない。長瀬智也が大企業の不正を暴く為に、追い込まれ、悩み、苦労する中小企業の社長役だが、何と言っても「主役」なので、一発逆転の成功物語であるのは、観る前から分かっていて、安心して観ていられた。また、サザンオールスターズが歌う主題歌「闘う戦士たちへ愛を込めて」は、主題歌からこの映画が生まれたのではないかと思ってしまう程、映画にバッチリ合っていた。更に、セリフもよく考えられていたように思う。対立する長瀬智也演じる中小企業社長と、ディーン・フジオカ演じる不正を隠蔽している大会社の課長との、人間対機械のような会話や、中小企業社長とその部下達や取引先との生々しい会話が印象に残った。ラストシーンも、長瀬智也とディーン・フジオカが、お互いに守るべきものがあるという立場を理解した上で、自らの主張を静かに戦わせていて、緊張感のある深いシーンになっていた。人間が真剣に生きるとこうなるのかと。決して、お互いに個人的には好きではないが、尊重する部分はあるということだろうか。大人だ。
本当にうまく纏まっていて、映画は、やはり「スジ(=脚本、原作)」なのかと再認識出来た映画だった。ただ、間違いない原作があったからもしれないが、前述のように、豪華な俳優がこれだけ出演しているし、テーマもたくさんあるので、もう少し長尺になって良いので、一つひとつの話をじっくり描くと、“社会派エンターテイメント作品”になっていたようにも思う。決して、“社会派”だけが良いという訳ではないが、更に、重厚感のある作品になっていたように思う。個人的好みで、深田恭子が、あの主演時間だけでは惜しい。良い役柄だったのに。もっと、観たかった。
(kenya)
監督:本木克英
脚本:林民夫
原作:池井戸潤
撮影:藤澤順一
出演:長瀬智也、ディーン・フジオカ、高橋一生、深田恭子、寺脇康文、小池栄子、阿部顕嵐、ムロツヨシ、中村蒼、柄本明、佐々木蔵之介、六角精児、大倉孝二、津田寛治、升毅、笹野高史、岸部一徳他
演出も、いくつかのテーマを持ちながらも、きちんと纏まっていて、難解にはなっていない。長瀬智也が大企業の不正を暴く為に、追い込まれ、悩み、苦労する中小企業の社長役だが、何と言っても「主役」なので、一発逆転の成功物語であるのは、観る前から分かっていて、安心して観ていられた。また、サザンオールスターズが歌う主題歌「闘う戦士たちへ愛を込めて」は、主題歌からこの映画が生まれたのではないかと思ってしまう程、映画にバッチリ合っていた。更に、セリフもよく考えられていたように思う。対立する長瀬智也演じる中小企業社長と、ディーン・フジオカ演じる不正を隠蔽している大会社の課長との、人間対機械のような会話や、中小企業社長とその部下達や取引先との生々しい会話が印象に残った。ラストシーンも、長瀬智也とディーン・フジオカが、お互いに守るべきものがあるという立場を理解した上で、自らの主張を静かに戦わせていて、緊張感のある深いシーンになっていた。人間が真剣に生きるとこうなるのかと。決して、お互いに個人的には好きではないが、尊重する部分はあるということだろうか。大人だ。
本当にうまく纏まっていて、映画は、やはり「スジ(=脚本、原作)」なのかと再認識出来た映画だった。ただ、間違いない原作があったからもしれないが、前述のように、豪華な俳優がこれだけ出演しているし、テーマもたくさんあるので、もう少し長尺になって良いので、一つひとつの話をじっくり描くと、“社会派エンターテイメント作品”になっていたようにも思う。決して、“社会派”だけが良いという訳ではないが、更に、重厚感のある作品になっていたように思う。個人的好みで、深田恭子が、あの主演時間だけでは惜しい。良い役柄だったのに。もっと、観たかった。
(kenya)
監督:本木克英
脚本:林民夫
原作:池井戸潤
撮影:藤澤順一
出演:長瀬智也、ディーン・フジオカ、高橋一生、深田恭子、寺脇康文、小池栄子、阿部顕嵐、ムロツヨシ、中村蒼、柄本明、佐々木蔵之介、六角精児、大倉孝二、津田寛治、升毅、笹野高史、岸部一徳他