1992年ロス暴動を舞台にした映画で、ハル・ベリー演じる主人公は貧しくても、不運な境遇の子供達を引き取って、共同生活をしている。その隣の住人に、ちょっと狂気染みたダニエル・クレイグ。元ボンドガールと現役ボンドが共演する豪華な顔ぶれ。ただ、中身は、ロス騒動を扱っているので、人種差別問題をベースに、当時の映像もよく映され、当時(今も)アメリカが混乱していたのがよく分かる。
冒頭、ジュースの万引きを咎められて、逆ギレした黒人少女が、ヒステリックになった店主に銃弾され死亡する。この事件の裁判で、店主が無罪となったことから、町のあちこちで、黒人達による暴動が勃発する。街中が無法地帯となり、警察も機能しなくなり、ハル・ベリーとその子供達も巻き込まれ、騒然となっていく。ハル・ベリーが逮捕されるシーンは緊迫感があり、暴徒化した人達に恐怖を感じた。
原題は「Kings」ということで、実際のロドニー・キング事件の映像が何度か流れる。この映画は、今のアメリカ政権に改めて警鐘を促していると思う。圧倒的な権力を武器に、一部の人達を悪者と決めつけ、そして排他していく。権力を持つ人間だけが一番であるということを誇示する。自分達の主権を最優先することが当然と主張する。そんな風潮を否定し、貧しいながらも、「生」を実感して、生きている人達がいることを忘れてはならない。この映画では、黒人と白人が手を取り合うのである。それを実感出来ていることに幸せを感じる人でありたい。
最後に、折角のアカデミー賞女優と現役ジェイムズ・ボンドをもっと前面に出して欲しかったと思う。特に、ダニエル・クレイクは、これから先は、どんな役を演じてもボンドに見えてしまうが、敢えて、全く違うジャンルの映画に出演したのである。その勇気なのか、はたまた役者としての挑戦なのか、あるいは、ただ単に予定が空いていたからなのか(それは無いと思うが)、ダニエル・クレイク自身の想いを感じることも出来ずに終了してしまったのが残念だった。
(kenya)
原題:「Kings」
監督・脚本:デニス・ガムゼエルギュベン
撮影:ダービッド・シザレ
出演:ハル・ベリー、ダニエル・クレイグ、ラマー・ジョンソン、カーラン・ウォーカー、レイチェル・ヒルソン他
冒頭、ジュースの万引きを咎められて、逆ギレした黒人少女が、ヒステリックになった店主に銃弾され死亡する。この事件の裁判で、店主が無罪となったことから、町のあちこちで、黒人達による暴動が勃発する。街中が無法地帯となり、警察も機能しなくなり、ハル・ベリーとその子供達も巻き込まれ、騒然となっていく。ハル・ベリーが逮捕されるシーンは緊迫感があり、暴徒化した人達に恐怖を感じた。
原題は「Kings」ということで、実際のロドニー・キング事件の映像が何度か流れる。この映画は、今のアメリカ政権に改めて警鐘を促していると思う。圧倒的な権力を武器に、一部の人達を悪者と決めつけ、そして排他していく。権力を持つ人間だけが一番であるということを誇示する。自分達の主権を最優先することが当然と主張する。そんな風潮を否定し、貧しいながらも、「生」を実感して、生きている人達がいることを忘れてはならない。この映画では、黒人と白人が手を取り合うのである。それを実感出来ていることに幸せを感じる人でありたい。
最後に、折角のアカデミー賞女優と現役ジェイムズ・ボンドをもっと前面に出して欲しかったと思う。特に、ダニエル・クレイクは、これから先は、どんな役を演じてもボンドに見えてしまうが、敢えて、全く違うジャンルの映画に出演したのである。その勇気なのか、はたまた役者としての挑戦なのか、あるいは、ただ単に予定が空いていたからなのか(それは無いと思うが)、ダニエル・クレイク自身の想いを感じることも出来ずに終了してしまったのが残念だった。
(kenya)
原題:「Kings」
監督・脚本:デニス・ガムゼエルギュベン
撮影:ダービッド・シザレ
出演:ハル・ベリー、ダニエル・クレイグ、ラマー・ジョンソン、カーラン・ウォーカー、レイチェル・ヒルソン他