ピアノ教室に突然現れた
奇妙なフランス人のおじさんをめぐる表題作の他、
少年たちだけで過ごす
海辺の別荘でのひと夏を封じ込めた「子供は眠る」、
行事を抜け出して潜り込んだ
旧校舎で偶然出会った不眠症の少年と
虚言癖のある少女との淡い恋を綴った「彼女のアリア」。
シューマン、バッハ、そしてサティ。
誰もが胸の奥に隠しもつ、
やさしい心をきゅんとさせる三つの物語を、
ピアノの調べに乗せておくるとっておきの短編集。
クラシックの曲をテーマに書いた3作品が収録されてます。
「子供は眠る」は、シューマン<子供の情景>より。
「彼女のアリア」は、バッハ<ゴルドベルグ変奏曲>より。
そしてタイトルの「アーモンド入りチョコレートのワルツ」は、
サティ<童話音楽の献立表(メニュー)>より。
ほんのり切ない感じがしましたね。
子供の頃の気持ちが思い出されるというか・・・
分かるというか・・・
私的には「彼女のアリア」が好きでしたね。
虚言癖の女の子も悪気があって
嘘を言ってた訳じゃないんだよね。
「みんなが楽しければいいじゃない。」って言った台詞が、
なんとなく心に残りました。
確かにと思う反面、
別に嘘ついてまで面白くしなくったってとも思ったり。
ま~、最後、男の子は嘘のことは責めずに、
女の子がついていた嘘の続きを聞くんですよね。
それが良かったです。
読んでる最中はそのクラシックの曲が頭の中に流れ、
読み終えた後は聞きたくなりました。