己の回(#6)
『病の処方箋』
里中の葬儀が行われる。
妻には出張先の南アフリカで火災に遭い
焼死したと知らされた。
「生きている間は本人が家族に嘘を付き、
死んだら国家ぐるみで嘘。
ひとりの人間の一生をこんだけ滅茶苦茶にして、
守るべきものってなんなんすかね?」
「それが分らんようなら、刑事は辞めた方がいいな。
この街の灯りひとつにひとつに家族があり、
ひとつの幸せがある。
それを、わたしら刑事は命がけで守っている。
命を賭ける価値がある。」
「でも、死んだら全て終わりです。」
「そんなことはない。
里中くんの死は我々に大きな意味を残している。
魑魅魍魎どもが隠蔽してきた真実を、
わたしたちが白日の下に曝すチャンスだ。
当麻くん、瀬文くん、我々はちっぽけな存在だ。
いつ揉み消されるか分らん。
だからこそ、心臓が息の根を止めるまで、
真実に向かってひた走れ!それが、刑事だ。」
当麻と瀬文は里中の家へ。
里中が本や荷物が整理されてたことに、
何かを覚悟していた気がしてならないと言う妻。
当麻が何か言おうとした時、瀬文が遮り、
事故死だと言い張る。
部屋を調べたいと言う当麻。
奥さんが不審に思い調べたら危険だと瀬文。
「うっせーっ!! この隠蔽ヤロ~!!」
「なんだと、この魚顔!!
魚顔ってあだ名だったろう?
ちょ~ウケる。魚ちゃん。魚ちゃん。」
「ぎょぎょ!!」
瀬文に蹴りを入れる当麻。
瀬文が当麻に向かって本を投げつける。
その本を目で追う当麻。
「いただきました!」
誰かが里中の荷物を片っ端から押収し、
新しい物に入れ替えていた。
梨花の入院している病院に行き、
奥さんの鞄を調べさせてもらう。
そこに里中の図書館のカードが。
里中が借りていた本を聞き出す。
図書館へ行き本を探す2人。
里中が借りた本からSDカードを見つけた。
そのカードを開いてみると・・・
カードの中身は里中が公安から盗んだ
『SPEC HOLDER』のリストだった。
そこには今まで当麻と瀬文が出会った
SPECの持ち主の名前も・・・
里中は娘を助けるため、
病を治すSPECの持ち主を捜していたのだと。
瀬文は海野に会いに行く。
『病を処方した』と思われる宮崎洋介という
検査技師の情報をもらった。
その行方を探し、自宅マンションに行ったが、
宮崎は飛び降り自殺をした後だった。
疲れきってミショウに戻って来た瀬文の前に、
鍋ごとうどんを出す当麻。
「宮崎は死んでたよ・・・」
「みたいですね。」
瀬文から報告を受けた後、当麻はすぐ調べたらしい。
「闇に沈む真実もあれば、光射す真実もありますって。
まあ、うどん食いなっせ!」
「なんだよ、その自信。」
「向こうも必死なんすよ。
真実を闇に沈め続けるっつ~のは、
相当体力いると思うんすよ。
向こうも全部の真実を沈めきれないはず。
一瞬でも浮かび上がった真実を絶対に逃さず、
白日の下に引きずり出すのが私たちの仕事です。
だから、そのためにも体力つけて下さい。」
うどんを啜る当麻を見て、瀬文も食べる。
「・・・マズイ。」
「あ゛~?」
「しょっぱい、酸っぱい、そのくせ甘ったるい。」
「んだと、ごらあ~!!表出ろ!!」
瀬文の顔をうどん鍋に突っ込む当麻。
「折角作ってやったんだから食えよ、お前!」
「こんなの食えるか!この味オンチが!!」
バトル開始。
翌日、梨花のオペが始まる。
担当医は海野だった。
当麻が海野について調べると、
日本では非常に珍らしい3種類の病気の症例と
術式に関する論文を発表していたことと、
そして海野からもらった資料がデタラメだったことが判明。
急いで病院に駆けつける当麻と瀬文。
その時、一足早く海野のことを知った美鈴がいて、
海野に病を処方されようとしていた。
海野に銃を向ける瀬文。
証拠がなければ何も出来ないだろうと海野に、
現行犯でっち上げて、この場で射殺してやると瀬文。
そこへ看護師が入って来て、
容態が急変したと。
瀬文は行けと海野に言う。
子供に罪はないから必ず助けると海野。
出て来たナースにオペの状況を聞く瀬文。
海野はもう出て行ったと言われる。
その時、美鈴のPHSに海野から電話が入った。
瀬文は海野の携帯番号を書き出て行く。
変わりに電話に出る当麻。
「病を処方し手当てもせずに見殺しにして楽しんでる。
医者として最低だ。」
「病を処方するのは我々に生命を守るためだ。
言わば正当防衛ですよ。」
体制にも暴力にも能力で対抗する。
じゃないと我々の妻や子供たちさえも狙われ、
殺されると言う海野。
「真実に辿り着けなくて何が刑事だ!!
君こそ刑事として最低だ。
僕だって医者を続けたかった。
医者はいい、人の生命を救える。
当麻さん、僕だって生命を救うSPECが欲しかったですよ。
だが才能というのは自分が望む物とは一致しない。神は残酷だ。」
海野の回りに人が・・・
「僕はただじゃ殺されないぞ。
君たちをもっとも苦しい病の中に取り込んでやる。」
電話が切れ、連れて行かれる海野。
梨花のオペは成功した。
美鈴にPHSを返す当麻。
「あなたも本当は向こう側の人なんでしょう?」
触れば分かると当麻に触れる美鈴。
そして美鈴は何かを見た・・・
なんで美鈴は最後、当麻にあんな攻撃的だったの?
どんな立ち位置なんだかさっぱり分からん。
海野はやっぱSPECの持ち主だったね~。
怪しすぎたもんね。
にしても海野は誰に連れて行かれたんだろうか?
あの喫茶店にいた老人の男女って、
当麻と瀬文が図書館に行った時もいたよね。
見張ってる感じだったけど・・・
しかし瀬文の魚顔発言には笑ったわ~。
あの2人のやり取りは面白すぎ(笑)
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