現代は我慢弱くなった

いわゆる成功者は、
統計的に言うと
都心よりも
地方出身のほうが多いと言われています。

なぜでしょう？

少し街を見てください。
３０年前と比べたら、
なんと豊かになったことでしょうか。

レストランひとつとっても中華料理、
イタリア料理、
回転寿司、
フランス料理、
和風レストランなどいろいろな店が並んでいます。

おいしい食事は豊富にあります。
ファストフードも高級な料理も選べます。

私の家の周りにも半径500メートル以内に
コンビニエンスストアが８件あります。
すべて24時間営業です。

昔なら７時には商店のシャッターが下りてしまいました。
店が終わってしまったら買い物はできません。
必要なものがあっても
翌日店が開くまでは我慢しなければいけません。
今は、夜中にお腹がすいたら、
ちょっとそこまでパンかおにぎりを買いに行けばいい。
朝まで我慢しなくてもいいのです。

家の中は冷暖房が完備されていますから、
一歩部屋の中に入れば、
夏は涼しく、
冬は暖かい。

厳しい環境に適応したり、
なんとかもう少し過ごしやすいようにと工夫する必要もなくなりました。

お風呂を沸かすために薪を割ったり、
火が絶えないように番をすることもありません。
ボタンひとつで快適な温度を保てます。

我慢をしなければならない状況というのは、
まず生理的な状況で強いられるものです。

暑い、
寒い、
お腹が減った、
痛い、
眠い、
そういう身体的な欲望を我慢するのは、
とても辛いものです。
そこにフラストレーションが生まれます。

このフラストレーションをなくそう、
我慢しなくてすむように環境を整えようと工夫をすることで、
世の中は便利に、
豊かになってきました。

現在は我慢しなければならない環境はぐっと減りました。
欲しいものはすぐ手に入るのに、
なぜ明日まで我慢しなければならないのかというのが、
今の人の率直な感想でしょう。

だから我慢せずに、
なんでもすぐ思い通りになる。

そういう生活を続けていれば、
人間が「我慢弱く」なるのも
当たり前のことと言えそうです。