7月1日 油壺

2008年07月01日 | 風の旅人日乗
今日は、
シーボニアのヨットで、1人で仕事。
単純手作業だったので、いろんなことを思考する。

先週は、
沖縄の海を古代の小船で渡り、祖先に思いを馳せた。
那覇市街が遠くに見える海では潮がうねり、波がうねり、
太古から変わらない大自然に翻弄され、それを経験できたことに感謝した。
現代人として、風と人間の力とだけで海に出ることの意義を追いかけることに、
もっともっと没頭したいと願う。

しかし現実には、
自分は現代の日本で生きていかなければならない家族持ちの日本人であって、
縄文時代に生きた人間でもなく、
サタワル島で暮らす航海民でもない。
貨幣社会の中で生活の糧を稼いで、
子に服を着せなければならず、
税金を払い、
借金も返さなければならない。

さて気を取り直し、
本日の写真は、今年のボルボオーシャンレースにエントリーしている
テレフォニカ(スペイン・アリカンテ)の2号艇。
ブルース・ファー設計事務所の最新作品。
ロシア艇に付いていて驚かされたスプレイ・レールが、この艇にも付いている。

この写真では、
クォーターから船尾にかけての形状が分からないので何とも言えないが、
スプレイ・レールを必要とするほど、
非常にパワフルな艇であることは間違いない。
優秀なセーラーを予め要求する、易しくないヨットだ。

ところで、
同じくVORにエントリーしているアイルランドのグリーン・チームに
中国資本が参入した。
前回のアメリカズカップに続いて、世界1周レースへの初の中国(マネー)の参加だ。
世界はどんどん変わりつつあるね。