7月19日-5 イスタンブールのグランドバザール

2008年07月23日 | 風の旅人日乗
イスタンブールに来たからには、
ボスフォラスとグランドバザールだけには行かなくちゃ、
と思っていたので、
絨毯横丁の男の中の男アカイと別れてグランドバザールに行った。

天蓋付き市場としては世界一の規模と歴史、
とガイドブックに書かれていたグランドバザールに、
驚く準備をし過ぎて行ったためだろうが、
年末の東京・御徒町アメ横のほうが面白いかも、
なんて思ってしまう。

男の中の男のアカイが折角交渉して安くしてくれたのと同じスカーフが
12トルコリラで売っていた。
アカイは、ぼくに費やした時間の報酬として8トルコリラを手にしたのだな。
トルコの男の中の男も辛いのだ。

グランドバザールでも、店員として働いているのはどの店でも男ばかり。
女性は客と対応する仕事をすることはできないんだろうな、恐らく。

7月19日-4 私は男の中の男よ、とイスタンブールでアカイは言った

2008年07月23日 | 風の旅人日乗
水タバコの男たちをぼんやり見ていると、
「お茶を飲まないか?」と
トルコ男にナンパされた。
面倒くさいので成り行きに任せた。

ぼくのテーブルの前にアップルティーを置いた男は、
「俺の名前はアカイだ」と英語で名乗り、
間を置かずに、
「トルコ語でアカイの意味、知ってる?」
と女言葉の日本語で問いかけてきた。
ビックリしたが、
「知らないわ」
と女言葉の日本語で答えると、
「男の中の男、という意味や」
とヤクザ映画を思い出す西日本イントネーションでアカイに教えられた。

アカイは
なぜ自分がこんなに正しい日本語を話せるようになったかを
英語でとうとうと語ってくれたが、
詳細は忘れた。

アカイは、
「イスタンブールには怪しい日本語で観光客に近づく俺みたいな奴が
たくさんいるから気を付けろ」、と懇々とアドバイスし、
「俺は奴らとは違う。アタシは男の中の男だもの。嘘つかない。
俺と会ったからにはあんたはもう安心していいのよ。
ところで、
ペルシャ絨毯を安く売るようここの知り合いに交渉してやってもいいが、
どうかしら?」
と、とても正しい日本語で言った。

ぼくは、トルコの男の中の男の言葉を信じて、
薦められた中で一番安かった、
カシミヤ100%だというスカーフを20トルコリラで買った。

7月19日-3 イスタンブールの水タバコ

2008年07月23日 | 風の旅人日乗
変に静まった店内に、男たちがずらりと並んで無言で座る。
テーブルの上にはトルコティーの小さなカップが並び、
何か、発言する者がいない、
退屈な会議をやっているようにも見える。

よく見ると、皆
大きなフラスコのようなものを両足の間に抱えて、
無心にタバコを吹かしているのだった。
ゴボゴボ、と理科の実験のような音が
店内のテーブルから聞こえてくる。
フラスコの中の水中から白くてきれいな煙が出ていて、
それを吸っているのだ。

携帯電話で仕事の話をしながら水タバコを吹かしているお兄さんに、
あろうことか、
ウインクされた。

7月19日-2 イスタンブールの絨毯横丁

2008年07月23日 | 風の旅人日乗
朝からべったりとくっついてクチャクチャしている
暑苦しいカップルたちに挟まれて、
爽やかに朝食を食べた後、
チェックアウトして荷物をフロント裏の小部屋に預け、
残り数時間のイスタンブール探検に出かける。

不気味なお墓が表通りに面して並んでいる
寺院の入り口のような回廊に入ると、
中には怪しい絨毯屋が立ち並ぶ空間が広がっていた。

インディアナ・ジョーンズのロケ現場に迷い込んだような迷路を進んでいくと、
そこに水タバコを吹かしているトルコ男たちが座っていた。