2013年9月21日 サンフランシスコ6日め―その1

2013年09月21日 | 風の旅人日乗
本日が、おいらにとって
第34回アメリカズカップを生で観られる最終日。
明日は日本に帰らねばならぬ。

昨日のサンフランシスコ湾に、
不安定な風をもたらせた前線は夜のうちに通過し、
今朝は高層雲が広がっているものの、いい天気。

昨日書き落としたことを、以下少々。

オラクルチームUSAの
軽風の予想だった昨日の
ウイングのセッティング。



ウイングのレーキを増やしているように見える。



コードゼロを揚げられるマストトップハリヤードが
セットされている。
ハリヤードの着脱ができるのかもしれないが、
90%の確からしさで、一昨日とは異なるウイングだと思う。

そして当然、コードゼロをセットするための
バウスプリットも付けている。



あんなにロードがかかるパーツを、
翌日予想される風に合わせて、
夜の内に取り付けたり取り外したりできるとは…


オラクルが短時間のうちに進化させた
タッキングについて。

なぜ、回頭中に即座に風上側のハルを上げて
まるでロールタックのような動きで
風上側の船体が水に浸かる抵抗を
瞬間的にゼロにすることができるのか?

このサイズの艇では、
人間の体重の動きだけではそれは不可能だ。

ビデオで、彼らのタッキング中のウイングの動かし方を
よく観ていると、
チームニュージーランドが危うく転覆しかけたときの
あのウイングの状態を積極的に作っているように見える。



つまり、ソフトセールの例で言えば、
フルバテンのメインセールがインバートした状態。
一瞬ウイングをあの状態にして、
ウイング前半部のエレメント1に風圧を当て、
艇を風下に倒しているような、そんな感じ。

今日は、もし誰か、どちらかの開発チームの人間に会えたら、
このことを確認しようと思う。

では、ピア27へ向けて、歩き始めます。






2013年9月20日 サンフランシスコ5日め―その2

2013年09月21日 | 風の旅人日乗
今日のおいらは間抜けであった。

朝早く宿を出て、
時間に余裕があったので、
フィッシャーマンズワーフの市場に
ダンジネスクラブなどを見に行ったりしたのが
いけなかったのかもしれない。



今夜のキウイたちの大騒ぎ場所になるであろう
レストランの写真を撮りに行ったりしたのも
いけなかったかもしれない。




第13レース13時15分、第14レース14時15分スタート予定。

いつものようにチームニュージーランドのクルーを送り出し、





オラクルのクルーを送り出したあと、





いつものようにフォートメイスンの丘に登る。

今日のサンフランシスコ湾は、
こんな感じ。


2隻のウイングの上半分が霧の中に隠れる。

ゴールデンゲイトブリッジからは、
ゴールデンゲイトの場所を船舶に伝える
霧笛が鳴っている。
霧のサンフランシスコ。

スタートは5分延期されて13時20分。



これはチームニュージーランドのエントリーの様子だけど、
とても分からんね。

先にジャイブを返したチームニュージーランドが
風を先にとらえ、そのまま、次から次に
パフを乗り継いで、リードを広げる。

いつものように観客もぞろぞろとそれに着いていく。





チームニュージーランドが風上に戻ってきて



風上ゲートを回ったのを観て、
急いでフォートメイスンの丘を降りて、
ピア27に向かう。
表彰式式場の、一番前の席に居座ろうと考えたのだ。

途中、アルカトラズ島を真横に見る当たりで、
最終マークに向かうチームニュージーランドに抜かれる。



今日のブログのタイトル、どんな感じにしようかなあ。
「霧のサンフランシスコの決戦、霧の中で決着」
うーん、ちょっとセンスないなあ、
なんてことを考えながらピア27を目指す。

急ぎ足で歩いてフィシャーマンズワーフを通り越し、



ピア27のアメリカズカップビレッジの中にある
メディアセンターに着き、
表彰式の段取りを確認しようとするが、
受け付けにだれもいない。

みな席を離れ、緊張の面持ちで、TVモニターを観ている。

画面は、どのレースか分からないけど
プレスタートのマニューバリングが始まったところ。
これは、第34回アメリカズカップが決まった歴史的なレースを、
リプレイしているのだな、と思って、画面を見ていると、

アレ? コードゼロを上げてないし、さっきとエントリーサイドが違わないか?
アレ? チームニュージーランドがオラクルを押さえ込んでるぞ?
アレ? さっき丘の上から見たときには反対のように見えたけど?
アレ? なんだかさっきより風が強いように見えるぞ?
こんな展開のレース、今まであったっけ?
アレ? これは、もしかして、もしかして…

横で観ていたボブ・フィッシャーという英国人ジャーナリストに、
画面を指差しながら、
おそるおそる小さな声で、「ライブ?」と聞いてみる。
何を言っているんだという目で、その人が強くうなづく。

んーと、これはどういうこと?

・・・・・

チームニュージーランドが
最初のレースでタイムリミットに引っかかったのを知ったのは、
それからしばらくしてのことでした。
笑って下さい。

でも、その再レースも、いいレースだったな。



TV画面の中で、
フィニッシュしたオラクルが観客の前をフォイリングしたまま通り過ぎる。

すげえなあ、と思いながらふとメディアセンターの窓の外を見ると
実物が飛ぶように通り過ぎた。
あ、おいらは現場にいるんだった。

いい試合が続く。
ヨットレースが、観る側にとってこんな面白いスポーツだったら、
ずっと観てたいと思う。

おかげで明日もこのヨットレースを観ることができるが、
その代わり、
明後日の朝一番には空港に向かわなければならない関係上、
お土産を買いにいく時間は、なくなった。
関係者の皆さん、ごめんなさい。