2013年9月16日サンフランシスコ初日ーその2

2013年09月17日 | 風の旅人日乗
カメラのバッテリーの充電器と
画像をパソコンに取り込むためのケーブルを
絶対に忘れないように、と
丁寧にパッキングして持ってきたのに、
カメラを忘れてきちゃったみたい。
残念。

ま、仕方ない。
自分で撮らなくても、
高名で優秀なカメラマンの撮った写真を
あとで見て楽しめばいいことだし。

今回大事なことは、
光景を自分の目に焼き付けて、
それを文字にして、
できるだけ多くの日本の人たちに伝えることだ

ホテルを出て、アメリカズカップビレッジに向かう途中、
ふとサンフランシスコ湾に目をやると、
お、防衛艇がセーリングしている。



見えないでしょ?
予期せずバスに邪魔されたけど、
撮影した人はちゃんと大きなウイングが見えたのに、
バスの屋根の上に引っかかっている小枝かな、
レンズのゴミかな、くらいにしか見えないですね。
これが、
3年前の最新型携帯電話の内蔵カメラの限界みたい。

ピア27にあるメディアセンターに行く途中、
さっきのオラクルが帰ってきた。



ウイングが、見上げるような高さにそそり立っていたんだけど、
これもちっこくしか写らないですね。
人間の目の画像処理能力ってすごいな。
ある程度勝手に大きさ関係をデフォルメしているのかな。

ちなみに、AC72の両サイドに写っているスーパーヨット2隻は、
どちらもラリー・エリソン所有艇。
右側のセーリングヨットの名前は、日本語で「あさひ」。




メディアセンター内の、記者会見場。
コソコソとスカイプしているおじさんがひとり写っているけど、
意図して写したわけではなく、なかなかどいてくれなかったので。

いつもはレース後、
両艇のスキッパーとかタクティシャンだけが
この壇上に座るのだけれど、
勝者が決まった日は、全クルーが破顔一笑の顔で居並ぶ。
それはいつになるのかな? 明日かな。


ランチを食べながら
友人とちょっと仕事の話をしたキウイレストラン。



ピア29の根元にあって、
ワイヘキアイランド・ヨットクラブ、という名前。
NZ産ビーフとラム、コロマンデル半島から送られてくる牡蠣などが
メニューにある。

ワイヘキ島はワイナリーで有名な島だから、
NZワインをたくさん揃えているのかと思ったら、
アメリカズカップイベントのオフィシャルワインが
地元ナパバレー・ワインということで、
アメリカズカップ期間中は、
このエリアでは、それ以外は置くことができないらしい。

このレストランのバーは、
レース終了後は毎日、
ニュージーランド人応援団で
立錐の余地がないほどになるという。
明日、その実態を体験見学に行こう。


その後、寄り道しながら
チームニュージーランドのベースに向かう。
そこに向かう途中の、道ばたやパブで会った人たち。
サザンスパーのマーク・ハウザー
今回はアルテミスにいたトム・シュナッケンバーグ
プラダのかつてのナビゲーター、あ、名前失念。
チームニュージーランドのセールデザイナー、バーンズ。

コンパウンドの入り口で、
今回おいでと言ってくれた人物が警備員に説明に来るのを待っていたら、
これから帰ろうとするグラント・ダルトンが出てきた。
「3日前に、今後すべてのレースが終わるまで、
ビジネス関係者以外一切立ち入らせないこと、
って厳命したんだけどな、
あいつ(今回おいでと言ってくれたヒト)聞いてなかったな」
と笑いながら怒る。
すでに勝者の余裕を漂わせている。

コンパウンドの中で、
明日のレースに向けてセッティングが終わった今回のレース艇
<アオテアロア>はさすがに見ることはできなかったが、
2枚あるウイングをじっくりと見せてもらう。
コンディションによって使い分けるという
2枚の違いがどこにあるか、発見!
じぇじぇじぇ!
なるほどね。
明日、どちらを立てるかで、
自分の「なるほどね。」の推理が当たっているかどうかが分かる。
楽しみ。

レース観戦場所はどこがいいかについて、
前の週にサンフランシスコで観戦してきた
セールファーストの後藤社長に、
フォートメイスンの丘の上か、
その前に出ている桟橋が穴場ですよ、
って日本を出る前に教わった。

こちらの関係者にも聞いてみると、
そこもいいけど、その隣のマリーナ・グリーンには
大型モニターが2台あるので、
レース艇が下ゲートのほうに行っている間は
そのモニターで観ることができるし、
それ以外は迫力の生で観ることができるよ、という意見。

明日は午前10時にピア23の先端まで行って
レース艇が一旦ブイに係留してそろい踏みするのを見て、
メデャイセンターに行ってレース前記者会見を見て、
それからどこかで昼食を買うか食べるかして、
フォートメイスンかマリーナ・グリーンに行ってレースを見て、
それからまたカップビレッジに戻って記者会見を見て、
場合によってはチームニュージーランドのコンパウンドでの
どんちゃん優勝パーティーを見学&体験、
ということになるのかな。

それぞれのレグが歩いて20~30分の、
微妙にウォーキングディスタンス内なので、
レース日が増えれば増えるほど、健康になれそう。

明日の風予報は強風。
サンフランシスコ湾内の風のピークは
午後3時過ぎから4時半くらいまでの時間帯なので、
第1レースは恐らくスタートできそう、
第2レースは風の吹き上がりが速いか遅いか次第で微妙、
というのが、チームニュージーランドの関係者の予想。






2013年9月16日サンフランシスコ初日ーその1

2013年09月17日 | 風の旅人日乗
サンフランシスコ初日。
まずはなぜかニュージーランド方面の話題から。

ニュージーランドでは今回のアメリカズカップのレースが中継されている。
ニュージーランドとサンフランシスコの時差の関係で、
アメリカズカップのレースはNZ時間の朝8時15分に始まる。

ニュージーランド人は、
日曜日は必ず教会に行くという人が多く、
日曜日にヨットレースを開催すると、
そのために参加艇が集まらないので、
週末のレースは日曜日ではなく、土曜日に行なうほどだ。

ぼくの友人であるニュージーランド人家族が行く教会には、
毎日曜日に200人のひとたちが礼拝に来るそうだ。
9月15日の日曜日、いつも通りに彼が教会に行ったら
「10人しか来てなくて、驚いたぜ」、とのこと。
敬虔なクリスチャンが多いとされるニュージーランドだが
日曜礼拝よりアメリカズカップのTV観戦を選ぶクリスチャンが、
19倍も多いということが判明してしまった。

ニュージーランド時間のその日曜日の、
みんなが「ドキン」としたあの第8レースの場面で、



ニュージーランドが奇跡的に転覆しなかったのは
教会をサボってテレビにかじりついていた
敬虔なニュージーランド人クリスチャンたちの祈りが
通じたのかもしれないな。


第34回アメリカズカップの
手に汗を握った9月15日の第10レースを観た後の、
各アメリカズカップ関係者のコメント。

“We have now seen more passing in this Cup than any other dating back to the first defense in 1870.”
- Gary Jobson, NBC commentator.
知らない人が多くなってしまったが、
ゲーリー・ジョブソンは、
ニュースTV局CNNを創業したテッド・ターナーが
アメリカズカップを防衛したときの
若きタクティシャン。

“Yesterday’s race 10 in the 34th America’s Cup match between Team New Zealand and ORACLE TEAM USA will, according to many observers, go down in the history books as one of the greatest sailboat races of all time.”
– New Zealand Herald Tuesday Sept 17.

“I knew these boats were great for fleet racing but not for match racing. But match racing when they are equal like today is amazing. It will be difficult to go back.”
– Bruno Troublé, instigator of the Louis Vuitton Cup.
知らない人が多くなってしまったが、
ブルーノ・テリューブレは、
ボールペンとライターのビック男爵が
アメリカズカップに挑戦したときの
若きヘルムスマン。

“If you didn’t enjoy [Sunday’s] racing then I think you should probably find another sport.”
- Dean Barker, skipper Emirates Team New Zealand