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今年もやってるやってる~

パスカル、8年ぶりに世界返り咲き(WBAライトヘビー級:暫定王座)

2019年08月08日 00時06分27秒 | 世界ボクシング

先週末3日、米国・ニューヨーク州で行われた試合結果です。
WBAライトヘビー級戦(暫定王座):
挑戦者ジャン パスカル 負傷判定8回1分49秒(3対0:75-74x3)王者マーカス ブラウン(米)

*2011年5月にあのバーナード ホプキンス(米)にWBC王座を奪われて以来、同級のトップクラスと対戦しながら勝ち負けを繰り返してきたパスカル。世界戦に限ってみると、当時の3団体統一王者だったセルゲイ コバレフ(露)に2015年、2016年に2連続TKO負け。昨年11月にはWBA王者のドミトリー ビボル(キルギスタン)に大差判定負けと、もう世界返り咲きは無理だろうと思われていました。

ビボルに敗れ後再起戦も挟まずになぜだか世界挑戦の機会をまたまた得たパスカル。今回パスカルが挑戦したのは、1月に暫定ながらもWBA王座を獲得した米国同級期待のブラウンでした。

ブラウンの防衛が手堅く防衛を果たすだろうと予想されたこの試合。非常に面白い試合展開、試合結果となっています。

試合をリードしたのは予想通り米国人。身長、リーチと上回るサウスポーのブラウンは、距離と切れのある右ジャブで元王者をコントロールしていきます。特に3回のブラウンは素晴らしく、そのラウンドを通しライバルをジャブでコントロール。パスカルもやる気というか打ち気満々なのですが、バランスが悪く前のめりになる場面が多く見られました。

試合の流れが変わったのが4回。右フックの打ち合いでパスカルが打ち勝ち、ブラウンからダウンを奪っています。5回、6回とペースを取り戻した王者ですが、7回に再びパスカルのパンチでダウン。この回に2度のダウンを奪われてしまいます。

最終回となった8回、頭から突っ込んでくるパスカルのそれがブラウンの顔面にもろにヒット。激しい出血を負ったブラウンに試合続行の許可は下りませんでした。

負傷判定に結果を委ねることになったこの戦い。7回までの採点は3人のジャッジ揃ってイーブン。そして途中で終わった8回の採点も、3人のジャッジ揃ってパスカルを支持。その結果、パスカルが僅差の判定で勝利。8年ぶりに王座返り咲きに成功しています。

もし採点に途中で終わった8回が含まれていなかったら王者の引き分け防衛。WBCルールのように、出血していない選手に減点1が科されていてもタイトルの移動はなかったことになります。運というのでしょうか、その辺りもパスカルに味方したようですね。

暫定ながらもパスカルが頂上戦線に返り咲いたライトヘビー級。2019年8月8日現在の同王者たちの顔ぶれを見てみましょう。

WBA:ドミトリー ビボル(キルギスタン/防衛回数7)
WBA(暫定):ジャン パスカル(カナダ/0)
WBC:アレクサンデル ゴズディク(ウクライナ/2)
IBF:アルツロ ベテルビエフ(露/2)
WBO:セルゲイ コバレフ(露/0)

この面々と比べると、残念ながらパスカルは最下位に位置せざる得ないでしょう。しかし旧ソ連色がやたらに強い階級です。

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