DAISPO WORLD BOXING EXPRESS

今年もやってるやってる~

クルーザー級で王座統一戦が実現、などなど(色々:09‐20‐24)

2024年09月20日 05時47分50秒 | 世界ボクシング

最近(2024年9月20日ごろ)のニュースです。

1)今年の3月にWBA王座を獲得したヒルベルト ラミレス(メキシコ)と、WBOタイトル保持者クリス ビラム=スミス(英)による2団体クルーザー級王座統一戦が11月16日、サウジアラビアで行われることが発表されました。

この一戦、BoxRecではWBO戦のみと表記されています。

2)この王座統一戦の前座には、WBO最軽量級王者オスカー コラーゾ(プエルトリコ)も登場。エドウィン ヘルナンデス(メキシコ)を迎え、保持する王座の4度目の防衛戦を行います。

3)10月12日、IBFクルーザー級王者ジェイ オペタイア(豪)もサウジアラビアで防衛戦を予定しています。オペタイアが迎えるのはビラム=スミスの同胞挑戦者ジャック マッシー。オペタイアはこれで、3試合続けて砂漠での試合を行うことになりました。

4)もう一人のクルーザー級世界王者ノエア ミカエルヤン(アルメニア)は今月28日、ライアン ロジッキー(カナダ)を迎え、保持するWBC王座の防衛戦を行います。

5)サウル アルバレス(メキシコ)が剥奪されたIBFスーパーミドル級の王座決定戦が来月19日、ドイツで行われます。この試合に出場するのはウィリアム スカル(キューバ)とウラジール シシュキン(露)。

6)今年5月に暫定ながらもWBCスーパーフライ級王座を獲得したペドロ ゲバラ(メキシコ)。対戦相手は未定ながらも、来月11日に王座の初防衛戦を予定しています。

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カネロ、盤石な勝利(スーパーミドル級x2ほか)

2024年09月19日 05時44分07秒 | 世界ボクシング

先週14日・土曜日、米国ネバダ州で行われた試合結果です。
3団体スーパーミドル級戦:
王者サウル アルバレス(メキシコ)判定3対0(118-112、117-110、117-113)挑戦者エドガル ベルランガ(プエルトリコ/米)

*試合前は、「他の相手と試合をしろ!」との声も聞かれたこの戦い。しかしベルランガの頑張りもあり、試合内容自体は中々のものでした。

3回には見事なタイミングで左フックを当て、ダウンを奪ったカネロ(アルバレスのニックネーム)。後半戦に挑戦者の反撃を受けましたが、安定したボクシングで大差判定勝利。保持する3つの王座の防衛記録を伸ばしています。

WBAスーパーミドル級戦(暫定王座決定戦):
カレブ プラント(米)TKO9回2分59秒 トレバー マッカンビー(米)

*アルバレス、デビット べナビデス(米)に敗れたとはいえ、それぞれの試合で善戦したプラント。格下マッカンビーにダウン(ダウンというより押し倒された)を喫してしまいましたが、試合全体を通じライバルを圧倒。9回最終盤にパンチをまとめ、TKO勝利を収めました。

またまたWBAに「暫定」という余計な王座が加わってしまったスーパーミドル級。下記は2024年9月19日現在の、同級のタイトルホルダーたちとなります。

WBA:サウル アルバレス(メキシコ/防衛回数9)
WBA(暫定):カレブ プラント(米/0)
WBC:サウル アルバレス(メキシコ/8)
IBF:空位
WBO:サウル アルバレス(メキシコ/6)
OPBF(東洋太平洋)
:野中 悠樹(ミツキ/0)
WBOアジア太平洋:帝尊 康輝(一力/0)
日本:帝尊 康輝(一力/0)

 

WBAミドル級戦:
王者エリスランディ ララ(キューバ)TKO9回終了 挑戦者ダニー ガルシア(米)

*2年2ヶ月も実戦から離れていたガルシア。しかもこれまでに、ミドル級での試合経験はありません。そんな選手を世界戦に出場させる事は認めたWBA。案の上、ガルシアは勢いを失っていないララの前に何も出来ないまま降参してしまいました。

最後は見事な左でダウンを奪ったキューバ人。年間に2試合以上行ったのは、2019年ぶりとなります。

下記は2024年9月19日現在の、ミドル級のタイトル保持者たちとなります。

WBA:エリスランディ ララ(キューバ/防衛回数3)
WBC:カルロス アダメス(ドミニカ/2)
IBF:ジャニベック アリムハヌリ(カザフスタン/0)
WBO:ジャニベック アリムハヌリ(カザフスタン/3)
OPBF(東洋太平洋):テイジ プラタップ シン(豪/0)
WBOアジア太平洋:国本 陸(六島/1)
日本:国本 陸(六島/3)

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あの試合から30年(WBAジュニアバンタム級:1994年9月18日)

2024年09月18日 05時13分41秒 | ボクシングネタ、その他雑談

今から30年前の昨日にあたる1994年9月18日、東京で行われた試合結果です。
WBAジュニアバンタム級戦(現スーパーフライ級):
WBO挑戦者李 炯哲(韓国)TKO9回2分55秒 
王者鬼塚 勝也(協栄)

(6度目の防衛戦に、指名挑戦者の李を迎えた鬼塚)/ Photo: TBSテレビ

*歓声が悲鳴に変わっていった9回、鬼塚は李の連打にさらされ続ける事になりました。レフィリーが何度も試合をストップしようとする中、鬼塚はその都度反撃に転じます。しかしこの回も終わりに近づいた時、ついに主審は両者の間に入り試合終了を宣言。鬼塚は気を失った状態で立っていました。

常に苦しい試合を強いられながら、防衛記録と全勝記録を維持してきた鬼塚。今回、6度目の防衛戦に迎えたのは、指名挑戦者の李。17勝(14KO)4敗の戦績が示すように、高いKO率の持ち主です。李はKO/TKO勝利が多いとはいえ、決して一発屋ではなく連打で相手を倒す選手。鬼塚と李の両サイドから見て、お互いにかみ合うスタイルの持ち主と言っていいでしょう。

どちらかと言うとスロースターターの鬼塚ですが、この日は中々の出だしを見せました。基本に戻るかのように、その長身から左ジャブを丁寧に放っていきます。様子見だったかもしれませんが、そんな丁寧なボクシングを心掛ける鬼塚に対し、明らかに李は後れを取ってしまいました。

しかしそこは指名挑戦者。回を追う毎にエンジンのギアを上げていき、得意の乱戦に持ち込んでいきます。いつも通りの鬼塚の試合にように、どちらのペースとも言えない混戦が続く中、若干ではありますが王者がリードを保ちながら終盤戦に突入。「また、僅差の判定で鬼塚の勝利か」と思われた矢先、9回のストップ劇画訪れる事になりました。

(李(左)の連打にさらされる鬼塚)/ Photo: goo BLOG

試合後、網膜剝離のため、2年ほど前から右目がかすんだ状態だったと告白した鬼塚。この試合を最後に、現役生活に終止符を打ちました。

普段は自分の感情を表に出さなかった鬼塚ですが、網膜剝離についても一人で葛藤していたんですね。カラッとした性格ではなかったため、あまり好きなボクサーではありませんでした。しかし鬼塚が、1990年代前半の日本ボクシング界を牽引していたことは疑いのない事実です。

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あの試合から30年(IBFウェルター級:1994年9月17日・その2)

2024年09月17日 05時51分18秒 | ボクシングネタ、その他雑談

今から30年前となる1994年9月17日、米国ネバダ州ラスベガスで行われた試合結果です。
IBFウェルター級戦:
王者フェリックス トリニダード(プエルトリコ)TKO4回2分41秒 挑戦者ヨリボーイ カンパス(メキシコ)

(トリニダードとカンパスによる注目の全勝対決が実現)/ Photo: Youtube

23戦全勝(19KO)という素晴らしい戦績を誇る若き王者トリニダードが、56戦全勝(50KO)というお化けみたいなレコードの持ち主であるカンパスを迎え、保持する王座の4度目の防衛戦を行いました。

カンパスがグイグイとプレッシャーをかけ、それをシャープなパンチとスムーズなフットワークで、トリニダードが力強く迎え撃つ。そんな展開が試合開始のゴングと同時に始まります。

ボクシング界には6インチパンチ(15センチほど)というものが存在します。そんな伝説のようなパンチを、実際にこの試合で目にあたりにすることになりました。2回2分過ぎ、メキシカンが距離を詰めた時、両者の間にほとんど間合いが無い状態でカンパスの左フックが炸裂し、トリニダードが腰砕けでダウン。現地のテレビ解説者は、「こんなパンチ、初めて見た!」と大興奮状態でした。

(カンパスの6インチ・フックが炸裂)/ Photo: Youtube

劣勢に立たされたトリニダードでしたが、試合再開後、怒涛の反撃を開始します。続く3回にはローブロー(低打)のため、減点1を科されたトリニダード。そこからは、2回の反撃に輪をかけたような凄まじい攻撃でメキシカンに襲い掛かっていきました。

時計の秒数が進むごとにトリニダードの動くサンドバックとなっていったカンパス。見ている側からもこれ以上打たれ続けたら、ボクシングはおろか、「その後の生活に支障を及ぼすのでは!?」と思われた瞬間にレフィリーが両者の間に入りストップを宣告。カンパスが救い出されると同時に、トリニダードが見事の逆転劇の主人公となりました。

(トリニダード(右)の猛攻にさらされたカンパス)/ Photo: Youtube

トリニダードはキャリアを通じ、前半戦(ほぼ第2ラウンド)にダウンを喫する事が多々ありました。しかしそのダウンがトリニダードにとり、目覚まし時計のように作用し、猛反撃劇が始まります。その典型的な一戦が、今回のカンパス戦と言っていいでしょう。

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久しぶりのノックアウト、敵地で防衛に成功(WBAミニマム級)

2024年09月16日 05時52分13秒 | 世界ボクシング

今月7日、豪州で行われた試合結果です。
WBAミニマム級戦:
王者ノックアウト CP フレッシュマートレ(タイ)判定2
対0(114-112x2、113-113)挑戦者アレックス ウィンウッド(豪)

*自陣営の不手際から、2022年7月以来の試合となったフレッシュマート。今回がプロ僅か5戦目となった挑戦者は、フレッシュマートがブランクに入って以降にプロデビューを果たし、今回の世界挑戦を迎えています。

その影響からか、中盤戦までは挑戦者が大きくリードする形になりました。しかし徐々にエンジンのかかり始めた王者は7回、ダウンを奪うなどしてウィンウッドをあと一歩まで追い詰めます。9回に2度目のダウンを喫する等、追い詰められた挑戦者。しかしその後は何とか持ちこたえ、試合終了のゴングを聞くことになりました。

5倍ものキャリアを誇る相手に大接戦を演じたウィンウッドでしたが、勝利の女神は微笑まず。タイ人が自身2度目の海外での試合に勝利を収めると同時に、全勝記録を25(9KO)に伸ばしています。また、タイトルの防衛回数は暫定王者時代のものを含め16としています。

次の防衛戦は、指名挑戦者で、プロとアマチュアの両わらじを履くハサンボーイ ドゥスマトフ(ウズベキスタン)との対戦が義務付けられている王者。2つの大会で金メダルを獲得した強豪相手に、プロでの大先輩がどのようなボクシングを見せるのでしょうか。注目です。

下記は2024年9月16日現在の、最軽量級級の王者たちとなります。

WBA:ノックアウト CP フレッシュマート(タイ/防衛回数16)
WBC:メルビン ジェルサレム(比/0)
IBF:ペドロ タドゥラン(比/0)
WBO:オスカル コラーゾ(プエルトリコ/3)
OPBF(東洋太平洋):空位
WBOアジア太平洋:小林 豪己(真正/1)
日本:空位

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年間最高試合!?武居が大激戦を制す(WBOバンタム級ほか)

2024年09月15日 05時09分19秒 | 世界ボクシング

今月3日、東京・有明アリーナで行われた試合結果です。
WBOバンタム級戦:
王者武居 由樹(大橋)判定3対0(115-112、114-113x2)挑戦者比嘉 大吾(志成)

*武居、比嘉の両雄が12回に持ち味を出し合った好試合。各ラウンドの始まりと終わりに両者がグラブを合わせるなど、試合内容に加え、両者の試合態度はとても清々しいものでした。

やや変則(かなり?)的な斜に構えたスタイルで、元世界フライ級王者を迎え撃った武居。特に相手から一番近い右パンチを、巧みに当てていったのが勝因と言っていいでしょう。また、妙なリズムも対戦相手にとり厄介なものでしょうな。

対する比嘉も黙ってはおらず、その重圧な攻撃で幾度も王者をロープに追い詰めました。

激しい攻防を繰り広げた両者に対し、会場は大歓声を送り続けます。終盤11回、押し倒すような感じでダウンを奪った比嘉ですが、武居も大崩れする事はありませんでした。逆にそのダウンのためか、最終回をきっちりと終えて試合を閉じた王者。結果として最終12ラウンドが勝敗の分かれ目となりました。

僅差ながらも強豪に勝利を収めた武居。世界王者として大いに自信がついたのではないでしょうか。試合後、引退を匂わせる発言を残した比嘉ですが、まだまだ世界に就ける実力を保持しています。

2024年9月15日現在の、「黄金のバンタム」のタイトル保持者たちを確認しておきましょう。

WBA:井上 拓真(大橋/防衛回数2)
WBC:中谷 潤人(MT/1)
IBF:西田 凌佑(六島/0)
WBO:武居 由樹(大橋/1)
OPBF(東洋太平洋):栗原 慶太(一力/0)
WBOアジア太平洋:空位
日本:増田 陸(帝拳/0)

 

スーパーライト級戦(WBA挑戦者決定戦):
平岡 アンディ(大橋)TKO9回2分58秒 WBA暫定王者イスマエル バロッソ(ベネズエラ)

*暫定とはいえ、現役の世界王者からダウンを奪うなどして一方的な勝利を収めた平岡。平岡のキャリアにとって大きな白星と言っていいでしょう。しかし実際の試合内容はと言うと、平岡はあまりにも丁寧に戦いすぎ。そしてそれにも増して、41歳となったバロッソのパフォーマンスが悪すぎました。

平岡が丁寧なボクシングを試みる中バロッソは、まったく対応できず。見かけ同様に、すでに過去の選手のような鈍い動きに終始してしまいました。6回にはひっかけ気味のパンチでダウンを奪った平岡。その後もワンサイドのボクシングを演じ、古豪をギブアップに追い込んでいます。

WBAへの指名挑戦権を獲得したとはいえ、相手の不出来もあり、決して世界ランカーとしての実力を示せなかった平岡。しかしこの勝利が平岡にとり、非常に大きなものであったことは疑いの余地はありません。

下記はこの試合が終わった時点(2024年9月3日)での、スーパーライト級の王者たちとなります。

WBA:ホセ バレンスエラ(米/防衛回数0)
WBA(暫定):イスマイル バロス(ベネズエラ/0)
WBC:デビン ヘイニー(米/0)
WBC(暫定):アルベルト プエジョ(ドミニカ/0)
IBF:リアム パロ(豪/0)
WBO:テオフィモ ロペス(米/2)
OPBF(東洋太平洋):永田 大士(三迫/1)
WBOアジア太平洋:永田 大士(三迫/1)
日本:李 健太(帝拳/0)

*今回の敗戦により、バロスの暫定王座は剥奪と見ていいでしょう。

 

OPBF(東洋太平洋)/WBOアジア太平洋ウェルター級戦:
王者佐々木 尽(八王子中屋)TKO7回52秒 挑戦者カミル バラ(豪)

*その強打で、3回にダウンを奪うなどしてバラを痛め続けた佐々木。しかし豪州人は異常な粘りを見せて移行していきます。しかし最終的には王者のパンチが挑戦者の精神力を上回る形に。世界も見えてきた佐々木が、アジア圏の2つのタイトルの防衛に成功しています。

2024年9月15日現在のウェルター級王者たちは下記のようになります。

WBA:エイマンタス スタニオニス(リトアニア/防衛回数1)
WBC:マリオ バリオス(米/1)
IBF:ジャロン エニス(米/2)
WBO:ブライアン ノーマン(米/0)
OPBF(東洋太平洋):佐々木 尽(八王子中屋/1)
WBOアジア太平洋:佐々木 尽(八王子中屋/4)
日本:セムジュ デビット(ウガンダ/中日/0)

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今週末の試合予定

2024年09月14日 05時38分02秒 | 世界ボクシング

2024年9月第二週末の主な試合予定です(2024年9月14日から9月20日まで)。

14日 土曜日
米国ネバダ州
3団体スーパーミドル級戦:
王者サウル アルバレス(メキシコ)対 挑戦者エドガル ベルランガ(プエルトリコ/米)

WBAスーパーミドル級戦(暫定王座決定戦):
カレブ プラント(米)対 トレバー マッカンビー(米)

WBAミドル級戦:
王者エリスランディ ララ(キューバ)対 挑戦者ダニー ガルシア(米)

 

20日 金曜日
米国アリゾナ州
スーパーミドル級戦:
ハイメ ムンギア(メキシコ)対 エリック バジニャン(カナダ)

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あの試合から30年(WBCストロー級:1994年9月17日・その1)

2024年09月13日 05時46分46秒 | ボクシングネタ、その他雑談

今から約30年前となる1994年9月17日、米国ネバダ州ラスベガスで行われた試合結果です。
WBCストロー級戦(現ミニマム級):
王者リカルド ロペス(メキシコ)TKO初回1分53秒 挑戦者スラチャイ セーンモロコット(タイ)

*この年、1994年から本格的に本場アメリカのリングに進出し始めた最軽量級の帝王ロペス。11度目の防衛戦は、何と6つもの世界戦が同時に開催された興行に登場しています。

この試合でロペスが迎えたスラチャイは、二十歳前の若きというよりまだまだあどけないが残るスラチャイ。それまでの実績もタイ国内のフライ級王座を獲得する以外は、ロペスと比べようもない選手です。しかも試合前夜にラスベガス入りするという、2重、3重ものハンディを負っていました。

(あどけない表情が残る挑戦者(右)と対峙するロペス)/ Photo: Youtube

試合前の注目は、ロペスが何時、どのようにタイ人を仕留めるかに絞られていました。そしてロペスはあまりにも簡単に試合を終わらせています。

サウスポー(左構え)のスラチャイでしたが、名将イグナシオ ベリスタイン氏を陣営に加えたロペスにとり、良い練習台にしかなりませんでした。これまでのガチガチのスタイルとは打って変わって、上体を振るボディーワークを取り入れ始めたロペス。右一発でスラチャイをすっ飛ばす形でキャンバス送りつけます。

ダメージありありの挑戦者でしたが、その後反撃を試みる時間すら与えられませんでした。左ジャブ、右ストレート、そしてそれに続く左フックで一気にケリをつけてしまったロペス。もしスラチャイが左フックで倒れていなくても、ロペスの伝家の宝刀である左アッパーが待たされていました。

格下とはいえ、見事なKO劇を演じたロペス。全勝記録を38に伸ばすと同時に、11度目の防衛に成功。ベリスタイン氏を迎え、新たなスタイルのスターを切っています。

(スラチャイは後に、以前存在していたマイナー団体WBUタイトルを獲得しました)/ Photo: BoxRec

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チュー2世、世界王座への返り咲きなるか?(IBFスーパーウェルター級)

2024年09月12日 05時52分28秒 | 世界ボクシング

10月19日、米国フロリダ州で予定される試合です。
IBFスーパーウェルター級級戦:
王者バカラン ムルタザリエフ(露)
対 挑戦者ティム チュー(豪)

*今年3月に、超長身セバスチャン フンドラ(米)と大激戦を演じるも、僅差の判定負けを喫しWBO王座から転落したチュー。再起戦で世界王座への返り咲きのチャンスを得ました。チューが挑戦するのは、22戦全勝(16KO)という素晴らしい戦績を持つバカラン ムルタザリエフ(露)。チューが王座から転落した約一週間後に、ドイツのリングでタイトルを獲得しています。

フンドラ戦では自身の大量出血に悩まされたチュー。自身初黒星の影響がなければいいのですが...。超実力者テレンス クロフォード(米)も加わり、戦国時代の様相を呈してきたスーパーウェルター級戦線。この試合の勝者が、同級の覇者への一歩を大きく踏み出すことになるでしょう。

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輸入ボクサー・セムジュ、日本の頂点に(日本ウェルター級ほか)

2024年09月11日 05時40分14秒 | 日本ボクシング

先月27日、後楽園ホールで行われた試合結果です。
日本ウェルター級戦(王座決定戦):
セムジュ デビット(ウガンダ/中日)TKO7回1分55秒 石脇 麻生(石田)

*ミドル級のウガンダ代表として2020/2021年の東京五輪に出場し、準々決勝(ベスト8)まで進出した実績を持つセムジュ。今年の春に日本でのプロデビューを果たしています。

アマチュアでの経験と、ミドル級から降りてきた体格のアドバンテージを持つセムジュは、初回から試合のペースを把握。回を追う毎に石脇を追い詰めていきます。

迎えた終盤7回、連打からチャンスを迎えたセムジュはそのままライバルをTKO。4戦目にウガンダで獲得した母国の国内王座に加え、7戦目で日本王座を奪取することに成功しています。今後、日本ウェルター級戦線の活性剤としての活躍が期待されます。

日本タイトルに新たな王者が誕生したウェルター級。下記はこの試合が終わった時点(2024年8月27日)での、同級のタイトル保持者たちとなります。

WBA:エイマンタス スタニオニス(リトアニア/防衛回数1)
WBC:マリオ バリオス(米/1)
IBF:ジャロン エニス(米/2)
WBO:ブライアン ノーマン(米/0)
OPBF(東洋太平洋):佐々木 尽(八王子中屋/0)
WBOアジア太平洋:佐々木 尽(八王子中屋/3)
日本:セムジュ デビット(ウガンダ/中日/0)

*テレンス クロフォード(米)がこの一年に、次々に同級の王座を手放していったため、随分とスッキリとなりましたね。

 

日本スーパーフェザー級戦:
王者奈良井 翼(RK蒲田)判定3対0(97-93、96-94x2)挑戦者石田 貫太(石田)

*今年4月に2度目の挑戦で国内王座を獲得した一戦を境に、それまでと違った丁寧なボクシングを心掛ける様になった奈良井。そのボクシングで日本王座を獲得したものの、格下と思われていた石田との初防衛戦では、消化不良の試合を演じてしまいました。

19戦目にして初のタイトル戦の出場機会を得た石田ですが、チャレンジ精神を置き忘れてきたのか、カウンター狙いのボクシングに終始。結局はそれが勝敗に影響したようです。

試合後、勝者ながらも反省の弁を口にした奈良井。次戦での奮闘に期待しましょう。

2024年9月11日現在のスーパーフェザー級の王者たちは下記のようになります。

WBA:レイモント ローチ(米/防衛回数1)
WBA(暫定):アルベルト バティルガジエフ(露/0)
WBC:ロブソン コンセイサン(ブラジル/0)
IBF:アンソニー カカーチェ(英/0)
WBO:エマヌエル ナバレッテ(メキシコ/2)
WBO(暫定):オスカル バルデス(メキシコ/0)
OPBF(東洋太平洋):波田 大和(帝拳/0)
WBOアジア太平洋:渡邊 海(ライオンズ/0)
日本:奈良井 翼(RK蒲田/1)

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