とりビーな毎日

中年おやじの映画鑑賞メインの趣味の記録です

「ルーム」 (ねたばれ注意)

2016-04-17 23:21:51 | 映画
人間は理由もなく不幸に遭うことがある。
ある不幸から逃れても、幸せなこともあれば、そうでないことも起こる。
人生は立ち止まることができない。
身に降りかかることは受け容れて、前に進むしかない。

そういう残酷なことも全て味わって生きることに意味があると腹を括れば何も畏れる必要はないのだ。
このことをもっと若い頃にわかっていればなあと思う。

主人公とは対照的に、息子のジャックは、生まれ育った「ルーム」の想い出を美化している。
どんなに辛い状況であっても楽しいことはあるし、過去は美化されるということなのか。
幼いが故に現実を理解していないのが切ないし、救いでもある。
成長とともに、「ルーム」のことは忘れていくのだろう。

一方、主人公の父親は現実を受け容れられないでいる。
過去で時間が止まっており、娘が帰ってきたことを素直に喜べないのだ。
登場人物でこの人が一番、不幸に見えた。

葛藤する心を持ち続けないと、幸せを掴むのは難しいというのが教訓だろうか。

点数は、9点(10点満点)。

タイトル:ルーム
製作年:2015年
製作国:アイルランド、カナダ
配給:ギャガ
監督:Lenny Abrahamson
主演:Brie Larson
他出演者:Jacob Tremblay、Joan Allen、Sean Bridgers
上映時間:118分