とりビーな毎日

中年おやじの映画鑑賞メインの趣味の記録です

「奥田民生になりたいボーイと出会う男すべて狂わせるガール」 (ねたばれ注意)

2017-09-29 23:59:00 | 映画
なかなか面白かった。
今更ながら、LINEの使い方の勉強にもなった。
奥田民生の楽曲をサントラに使うのも心地よかった。

しかし、水原希子演じるあかりみたいな女子がいたら、最強だなあと。
日常と非日常の混ざり具合が程よい。
また、他の登場人物のキャラが濃い。それだけで飽きない。

ラストで、妻夫木聡演じるコーロキが出世していて昔を振り返る、みたいなノスタルジックなシーンがある。
やっぱりこの作品が奥田民生をリアルタイムで聞いていた世代向けなんだと改めて実感。

大根監督の中年世代へのプレゼント?

点数は、8点(10点満点)。

タイトル:奥田民生になりたいボーイと出会う男すべて狂わせるガール
製作年:2017年
製作国:日本
配給:東宝
監督:大根仁
主演:妻夫木聡、水原希子
他出演者:新井浩文、安藤サクラ、江口のりこ、天海祐希、リリー・フランキー、松尾スズキ
上映時間:100分


「ユリゴコロ」 (ねたばれ注意)

2017-09-25 23:59:00 | 映画
こんな偶然、あるだろうか。
もしも、こんな偶然が起こったら、運命が変わるだろう。

人間の身勝手さから紡がれる恐怖。
ただ、その恐怖にも慣れてしまい、途中からは殺人鬼にも感情移入できてしまう柔軟性。

不幸のどん底を見たがゆえに感じることができる幸せ。
不幸な経験などせずに、すんなりと普通の幸せを手に入れた方がよかったのだろうか。

人間には選べない境遇がある。
ただし、その境遇をよしとせず、立ち向かう自由もある。
変えられるかどうかは、わからないけど。

聖徳太子の五千円札など、ところどころに垣間見える昭和が懐かしかった。

点数は、9点(10点満点)。

タイトル:ユリゴコロ
製作年:2017年
製作国:日本
配給:東映、日活
監督:熊澤尚人
主演:吉高由里子
他出演者:松坂桃李、松山ケンイチ、佐津川愛美、清野菜名、清原果耶、木村多江
上映時間:128分


「散歩する侵略者」 (ねたばれ注意)

2017-09-20 23:59:00 | 映画
宇宙人が地球人に乗り移って地球征服を企んでいるという設定はありがちだが、
「自由」、「家族」、「所有」、「自分」、「仕事」、「愛」といった
地球人の概念を奪うことで学習するという設定は秀逸。

また、宇宙人が地球人を理解するために「ガイド」としての地球人とバディを組むところも面白かった。

しかし、実際に侵略が始まるまでは、本当に宇宙人なのかは半信半疑で、精神異常と区別がつかない。

そうした混沌とした状況のなか、宇宙人の侵略への営みは着々と進む。

最終的に、宇宙人の侵略は開始されたが、なぜか途中で攻撃がやみ、地球人は生き残る。

ストーリーのはらはら感や侵略シーンの映像的な派手さもさることながら、
地球人が概念を奪われることで、人間性を失い廃人化する場合と、逆に元気になる場合もあることが面白かった。
だからといって、その概念がない方がいいという訳ではない。

「愛」でさえ、失った直後には、その大きさに気付かないが、
時間が経つにつれて、その大切さがわかるのだ。

また、宇宙人が地球人の概念を学習することで、精神的に地球人化していくところも面白かった。
人間を人間たらしめているのは、抽象的な概念なのか。

点数は、8点(10点満点)。

タイトル:散歩する侵略者
製作年:2017年
製作国:日本
配給:松竹、日活
監督:黒沢清
主演:長澤まさみ、松田龍平
他出演者:高杉真宙、恒松祐里、前田敦子、満島真之介、児嶋一哉、光石研、東出昌大、小泉今日子、笹野高史、長谷川博己
上映時間:129分


「ダンケルク」 (ねたばれ注意)

2017-09-15 23:59:00 | 映画
クリストファー・ノーラン監督が描く実話に基づく戦争映画。
陸海空の3視点同時進行で物語が進み、これらが交わったところでクライマックスシーンを迎える。

戦争の恐怖、命の尊さ、愛国心を巧みに、適量で、表現しながら、
映像面、心理面で、はらはらどきどきさせられるエンターテインメント性に溢れた作品だ。

偉いと感じたのは、敵であるドイツ軍を「敵」以上の憎悪をこめた表現を使っていないことや
撤退にあたって、自国であるイギリス兵を優先して、フランス兵を後回しにしたことを隠さず、
客観的かつ公平に事実を表現しようとしているように見えたことだ。

ただし、ドイツ兵は一人も登場せず、戦闘機や銃弾、魚雷といった武器を通して表現することで、
敵の人間性を感じない演出は、恐怖を高める効果がある。
このように派手な流血といった残虐シーンを使わずに、戦争の恐怖を表現するチャレンジが随所にあり、好感を持てた。

点数は、8点(10点満点)。

タイトル:ダンケルク
原題:DUNKIRK
製作年:2017年
製作国:アメリカ
配給:ワーナー・ブラザース映画
監督:Christopher Nolan
主演:-
他出演者:Tom Hardy、Cillian Murphy、Kenneth Branagh、Mark Rylance、Harry Styles、Fionn Whitehead、Tom Glynn-Carney、Jack Lowden、Aneurin Barnard
上映時間:106分


「エル ELLE」 (ねたばれ注意)

2017-09-14 23:59:00 | 映画
貫禄が凄いが、主演のイザベル・ユペールは、1953年生まれの64歳。
登場人物たちは、フランスでは普通なんだろうか。

イザベル・ユペールが演じるミシェルは表面上、動じない。
しかし、頑なな訳ではなく、人生を楽しんでもいるし、辛い目にもあっている。

幼少期に父親が殺人を犯し、現在も服役中である。
これまでに一度も面会には行っていない。

母親は若い男と再婚する気でいる。

息子はとんでもない女と結婚しようとしている。
生まれてきた子供は、どうみても息子と血がつながっていない。

会社では部下が従わず、セクハラを受けている。

こんな状況下で、自分を強姦した相手を探して、復讐を仕掛けるのだが、
計画的に相手を追い詰めるのではなく、成り行き任せに見えて、目的を果たすのである。

まさに鉄の女。いやあ、恐ろしい。

点数は、9点(10点満点)。

タイトル:エル ELLE
製作年:2016年
製作国:フランス、ドイツ、ベルギー
配給:ギャガ
監督:Paul Verhoeven
主演:Isabelle Huppert
他出演者:Laurent Lafitte、Anne Consigny、Charles Berling、Virginie Efira、Jonas Bloquet
上映時間:131分