「悪女」（ねたばれ注意）

アクションそのものもダイナミックだが、見せ方の斬新さに度肝を抜かれた。
冒頭、主人公のスクヒが一人で敵のアジトに乗り込んでいくシーンが圧巻。
車のボンネットに乗って、片手でハンドルを握って運転する？

また、ストーリーも生温いところがなく、救いのないリアリティが韓国ぽい。

スクヒを演じたキム・オクビンの次の作品が楽しみになった。

点数は、8点（10点満点）。

タイトル：悪女
製作年：2017年
製作国：韓国
配給：KADOKAWA
監督：チョン・ビョンギル
主演：キム・オクビン
他出演者：シン・ハギュン、ソンジュン、キム・ソヒョン
上映時間：124分

「ザ・シークレットマン」（ねたばれ注意）

ウォーターゲート事件の内部告発者である「ディープ・スロート」こと元FBI副長官マーク・フェルトの実話。
昨今、内部告発者の権利を守る動きが強化されてきているが、そういう制度のなかった時代に、
職務への信念に基づいて不正を正そうとした男の話である。

同じ盗聴行為でもテロリストに対して使うのは許されて、政敵の情報収集に使うことは犯罪という判断を厳格に行い、
自らの出世のために目を瞑らなかったことが尊敬されるべきところだろう。

そういう意味でニクソンは酷い大統領として描かれているが、トランプはどうなんだということが、
今、この作品が作られた意義かもしれない。

点数は、7点（10点満点）。

タイトル：ザ・シークレットマン
原題：MARK FELT: THE MAN WHO BROUGHT DOWN THE WHITE HOUSE
製作年：2017年
製作国：アメリカ
配給：クロックワークス
監督：Peter Landesman
主演：Liam Neeson
他出演者：Diane Lane、Marton Csokas、Tony Goldwyn
上映時間：103分

「blank13」（ねたばれ注意）

主題歌の「家族の風景」がめちゃくちゃしっくりきた。
こういう昭和のダメ親父的な役をやらせるとリリー・フランキーの右に出る者はいないのではないか。
困った人を見ると助けずにはいられないこの父親役への愛情が求心力になっているように感じた。

一人一人の役者に見せ場があって、齊藤工監督の役者愛を感じれた。

点数は、7点（10点満点）。

タイトル：blank13
製作年：2017年
製作国：日本
配給：クロックワークス
監督：齊藤工
主演：高橋一生
他出演者：松岡茉優、斎藤工、神野三鈴、佐藤二朗、リリー・フランキー
上映時間：70分

「グレイテスト・ショーマン」（ねたばれ注意）

19世紀半ばのアメリカの興行師P.T.バーナムをヒュー・ジャックマンが演じるミュージカル映画。
社会から隔てられていた人たちを集めてショーとして興行を成り立たせることで、
富を築いたアメリカン・ドリームな話。
古い権威に取り込まれそうになりながらも、自らの道を切り拓いた人物として描かれている。
トランプ大統領の移民排除の政策への反対の意味もあるのか、多様性への賛歌とも言える作品だ。

ヒュー・ジャックマンの歌とダンスに魅了される。
ヒュー・ジャックマン自身がオーストラリア出身であり、
こてこてのアメリカ映画の主役を務めているところが面白い。

元気がもらえる作品。

点数は、9点（10点満点）。

タイトル：グレイテスト・ショーマン
製作年：2017年
製作国：アメリカ
配給：20世紀フォックス映画
監督：Michael Gracey
主演：Hugh Jackman
他出演者：Michelle Williams、Zac Efron、Zendaya、Rebecca Ferguson、Keala Settle
上映時間：105分

「リバーズ・エッジ」（ねたばれ注意）

岡崎京子が原作漫画を描いたのは25年前。
工場がある風景からすると川崎あたりだろうか。

公衆電話を普通に使っていたネットが普及していない時代、
世の中のどろどろしたものが隠されていた空気感がよく出ていた。

「死体」からしか「生」を見出せない山田に
「生きている若草さんが好きだ」と言わせた感覚は何だったのだろう。

否定も肯定もせずに自分に寄り添ってくれたことへの感謝なのだろうか。

また、石やプラスチックみたいに変わらないものだった自分でも
「生きたい」と感じた若草の心境の変化の原因は何だったのだろう。

「死」を意識することで気付かされる「生」もあるということだろうか。

点数は、8点（10点満点）。

タイトル：リバーズ・エッジ
製作年：2018年
製作国：日本
配給：キノフィルムズ
監督：行定勲
主演：二階堂ふみ
他出演者：吉沢亮、上杉柊平、SUMIRE、土居志央梨、森川葵、西田尚美
上映時間：118分