とりビーな毎日

中年おやじの映画鑑賞メインの趣味の記録です

「ウエスト・サイド・ストーリー」(ネタバレ注意)

2022-02-26 23:59:00 | 映画
「スティーブン・スピルバーグ監督がミュージカルの名作を映画化」というのが宣伝文句。
ミュージカル映画としては、「ラ・ラ・ランド」や「グレイテスト・ショーマン」が最近のヒット作だろうか。

スピルバーグ監督が、これらに触発されたわけではないと思うが、あえて古典ともいえる作品に挑む意義は何だったのだろうか。
もちろん映画監督として、手掛けたことのないミュージカルにトライしたい気持ちはあっただろう。
そんな中、あえて「ウエスト・サイド・ストーリー」を持ってきたところが今の時代に合ってしまっている。

米国内では共和党と民主党の対立、というよりはトランプ派と反トランプ派の対立、が深刻になっていた背景がある。
さらには、米国と中国の対立も大きくなってきている。
安易な妥協は、更に大きな悲劇を生み出す要因にしかならないことは歴史が証明しているが、まずは問題に向き合うことだ。

「愛よりも命が大事」という台詞があるが、齢を取ると実感できる。
良くも悪くも、人間は辛いことを忘れることができるのだ。

やるからには、新しい才能を発掘したいという意気込みが見える配役だった。
マリア役のレイチェル・ゼグラーは、今後、活躍しそうだ。

点数は、7点(10点満点)。

タイトル:ウエスト・サイド・ストーリー
原題:WEST SIDE STORY
製作年:2020年
製作国:アメリカ
配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン
監督:Steven Spielberg
主演:Ansel Elgort、Rachel Zegler
他出演者:Ariana DeBose、Mike Faist、David Alvarez、Rita Moreno
上映時間:156分


メトロポリタン美術館展(国立新美術館)

2022-02-26 23:50:00 | 美術館
国立新美術館にてメトロポリタン美術館展を鑑賞。

間違いなく珠玉のコレクションである。
ルネサンス以降のヨーロッパの美術史の流れがわかる。
巨匠と言われる画家の作品を幅広く観ることができる。

個人的な注目作品は、フェルメールの「信仰の寓意」。
フェルメールは、市民生活のワンシーンを切り取った風俗画のイメージが強いが、本作品は異例の寓意画だ。
寓意画とは、作品中に描かれている人物や物が、別のものを象徴しているというものだ。
この作品は、カトリックの信仰を表現していると解説されていた。


「さがす」(ネタバレ注意)

2022-02-23 23:00:00 | 映画
最近、TVでもよく見かける佐藤二朗主演作品。
今回はシリアスな方の佐藤二朗。とはいっても笑いも少しある。
舞台が大阪の西成なのにコテコテの関西弁でないのはどういう設定だろうか。
佐藤二朗のキャラクターが先入観になって、謎が成り立っているところもあると感じた。

佐藤二朗の娘役の伊東蒼が好演。
関西弁を普通にしゃべっていたが、やはり大阪出身だった。
「空白」では古田新太の娘役だったが、難しい役どころを瑞々しく演じており、今後の期待大。

清水尋也が演じる指名手配犯は、最近あった事件の犯人を連想させる。

しかし、怖いのは普通の人間がふとした拍子に凶悪犯になりえてしまうことだ。
さらに怖いのは、最初の犯行がたまたま成功して味をしめると、再犯を企むことだ。
人間の愚かさは、明確に罰を与えられないと止められないのかもしれない。
ぎりぎりのところでもがいて成功した体験がそのことの善悪を顧みず、自己肯定感につながる怖さだ。

点数は、8点(10点満点)。

タイトル:さがす
製作年:2022年
製作国:日本
配給:アスミック・エース
監督:片山慎三
主演:佐藤二朗
他出演者:伊東蒼、清水尋也、森田望智、石井正太朗、松岡依都美、成嶋瞳子、品川徹
上映時間:123分


ポンペイ展(東京国立博物館)

2022-02-12 23:59:00 | 博物館
東京国立博物館にて、ポンペイ展を鑑賞。

街がまるごと火山噴出物に埋まってしまったことは悲劇だが、約2千年前の生活の様子がそのまま残っている。
大災害が起こり、遺構がそのまま残っていたのは、危険な場所ということが伝承され、人々が立ち入らなかったということもあるだろう。

熱に強いフレスコやモザイクが多く残っているのは、偶然ではなく、財産として残りやすいものを作っていたからだろうか。


フェルメールと17世紀オランダ絵画展(東京都美術館)

2022-02-12 23:30:00 | 美術館
東京都美術館にて、「フェルメールと17世紀オランダ絵画展」を鑑賞。

目玉は、フェルメールの「窓辺で手紙を読む女」。
上塗りで消された画中画が復元された姿を所蔵館以外で初披露というものだ。
古典の絵画の修復が最新のテクノロジーで行われるというところが面白い。

絵を描いた画家の意思とは関係なく、画に加工が施されたり、修復されたりすることが興味深い。
いろんな憶測が飛び交うことが名画の価値をより高め、観る人の好奇心をそそるのだ。