とりビーな毎日

中年おやじの映画鑑賞メインの趣味の記録です

「グッド・ナース」(ネタバレ注意)

2022-10-31 23:59:00 | 映画
「実話に基づく話」というのは、細部のどこまでが実話なのか気になる。

看護師が人知れず、患者を殺していたことは、ショッキングだが、病院が責任追及を逃れるため、見過ごしていたことがもっと恐い。
慢性的な人不足で、前の職場での不審な事件を問われることなく、再就職できていることも信じられない。

犯人の犯行動機が本人の口から語られていないことの気持ち悪さはあるが、心理学の研究成果から推測はできるのだろう。
犯人が、エディー・レッドメインが演じるようなナイーブな人物であれば、逮捕され、犯行を重ねなくなって、安心していたりするのだろうか。

本作は、Netflix作品の劇場公開だが、クオリティが高い。
集客が難しそうな題材でも、最高のキャスト、スタッフで作り上げているところは素直にすごい。

点数は、8点(10点満点)。

タイトル:グッド・ナース
原題:The Good Nurse
製作年:2022年
製作国:アメリカ
配給:Netflix
監督:Tobias Lindholm
主演:Jessica Chastain、Eddie Redmayne
他出演者:Nnamdi Asomugha、Kim Dickens、Malik Yoba、Alix West Lefler、Noah Emmerich
上映時間:121分


2022年 天皇賞(秋)観戦

2022-10-30 22:30:00 | 競馬
東京競馬場にて、天皇賞(秋)を観戦。

ダービーを好走した3歳馬が菊花賞を目指さずに、天皇賞(秋)を目指す路線が定着しつつある。
ダービー2着のイクイノックス、同4着のダノンベルーガ、皐月賞馬のジオグリフの有力3頭が参戦。
迎え撃つ古馬勢は、昨年のダービー馬シャフリヤール、札幌記念勝ち馬ジャックドール、ドバイターフ勝ち馬パンサラッサ。
他にも伏兵がちらほら。

右回り得意のジオグリフは買わない。
シャフリヤールは、強いと思いつつ、2,400mのジャパンカップが目標とのコメントがあり買わない。

イクイノックス、ダノンベルーガ、ジャックドールが順当なら強そう。
ただ、東京2,000mは、ときとして、マイラーが台頭してくることがあるので、カラテはおさえる。
また、牝馬の好走も多いので、マリアエレーナもおさえる。
やはり、パンサラッサの大逃げも恐いので、おさえる。
最後に、昨日の重賞勝ちで乗っている岩田康誠騎手のノースブリッジをおさえる。

レースが始まり、3番パンサラッサがじわっと先頭に立ち、10番ノースブリッジ、12番バビットが絡む流れ。
2コーナー入口でノースブリッジが先頭に並びかけたが、内からパンサラッサが先頭に立って、隊列が落ち着いた。
向う正面からパンサラッサが後続を引き離しての大逃げ。
3コーナーの1,000m通過が57.4秒のハイペース。
4コーナーから直線に入ったところでも後続に10馬身差で場内は騒然。
まさかの逃げ切りが現実味を帯びてきた。
残り50mぐらいで、パンサラッサの勢いが鈍り、イクイノックスとダノンベルーガが猛追。
ゴール寸前で、イクイノックスがパンサラッサをかわし、ダノンベルーガとパンサラッサは並んで入線。
ジャックドールは4着、シャフリヤールは5着に続いた。

ダノンベルーガの猛追をパンサラッサが首差しのいでおり、馬券は三連複のみ的中もトリガミ。

1番人気のイクイノックスが勝って、今年のG1レースの1番人気馬の連敗記録をストップ。
しかし、このレースの主役は間違いなくパンサラッサだった。

VTRを見ると、2コーナーで、ノースブリッジがマリアエレーナの進路を妨害しており、これがなければ、結果は変わっただろうか。

ジャパンカップ、有馬記念とこの先の各馬のレース選択と別路線の馬たちとの戦いが楽しみになった。






「RRR」(ネタバレ注意)

2022-10-29 23:59:00 | 映画
久々にインド映画を観たが、歌あり、ダンスあり、アクションありの盛沢山で、面白かった。
約3時間の長尺だったが、展開が速くて、そこまで長くは感じなかった。

1920年ごろのイギリス植民地時代の話なので、白人は徹底的に悪者だ。
今の時代に、インドの人たちがどういう気持ちで観ているのか分からないが、完全に過去の話なのだろうか。
インド総督の妻が必要以上に残虐で、最後のシーンへの伏線だったのだろう。

野生の虎や狼を武器として使っているシーンで、自分たちも襲われているところが、ツボだった。
エンドロールの最後まで飽きさせないサービス精神はさすが。

点数は、8点(10点満点)。

タイトル:RRR
製作年:2022年
製作国:インド
配給:ツイン
監督:S. S. Rajamouli
主演:N. T. Rama Rao Jr.、Ram Charan
他出演者:Ajay Devgn、Alia Bhatt、Olivia Morris、Shriya Saran、Ray Stevenson、Alison Doody
上映時間:179分


「線は、僕を描く」(ネタバレ注意)

2022-10-22 23:59:00 | 映画
水墨画の魅力をふんだんに描いた作品。
描く人の人柄やそのときの気持ちが、線に反映されるところが面白い。

水墨画を通して人生を取り戻す主役の霜介を横浜流星が好演。
役の成長と、役者の成長が噛み合っている感じがした。
素直な性格に無限の可能性を感じさせるところは役に成り切っているのか、役者としての魅力なのか。

水墨画の師匠役の三浦友和の眼差しが印象に残った。
優しさと厳しさが同居している様に凄みを感じた。

清原果耶と江口洋介もよかった。
それぞれの役者の個性にあったキャスティングで、違和感なく楽しめた。

点数は、9点(10点満点)。

タイトル:線は、僕を描く
製作年:2022年
製作国:日本
配給:東宝
監督:小泉徳宏
主演:横浜流星
他出演者:清原果耶、細田佳央太、河合優実、矢島健一、富田靖子、江口洋介、三浦友和
上映時間:106分


ピカソとその時代(国立西洋美術館)

2022-10-16 23:30:00 | 美術館
国立西洋美術館にて、「ピカソとその時代 ベルリン国立ベルクグリューン美術館展」を鑑賞。
ピカソの作品を中心に、パウル・クレー、アンリ・マティス、アルベルト・ジャコメッティの作品も展示されている。
ピカソについては、初期から晩年の作品まで幅広い。
日本初公開の作品も含まれており、いろんなピカソを観ることができる。

ベルクグリューン美術館は、画商のハインツ・ベルクグリューンのコレクションをベースに成り立っている。
芸術作品は、審美眼を持ったコレクターの介在がなければ、世の中に出ることなく、埋もれていたものもあるだろう。
ピカソほどの芸術家になると、誰かが見出していただろうが。
そういう意味では、時代の荒波の中で生まれ、多くの人の手を経て、生き残ったのが、目の前の作品だと思うと感動もひとしおだ。
「黄色のセーター」は、ピカソが退廃芸術の烙印を押され、ナチスに奪われていた作品だ。

ピカソの作品も、直接的に戦争は描かなくても、戦争の影響を受けている。
パウル・クレーは、従軍中に、戦闘機の一部だった亜麻袋に画を描いている。

個々の作品というよりは、展示されている作品全体として、芸術家の創作意欲と背景となる時代の変化を観ていることに気付く。
ときに芸術家同士が影響し合いながら、作品を生み出していくのも面白い。
まさに偉業が詰まった展示であった。





座って足を掻く裸婦(1921年の作品)


闘牛士と裸婦(1970年の作品)