とりビーな毎日

中年おやじの映画鑑賞メインの趣味の記録です

「キャロル」 (ねたばれ注意)

2016-02-14 23:16:28 | 映画
ケイト・ブランシェットがアカデミー賞主演女優賞、ルーニー・マーラが助演女優賞にノミネートされている話題作ということで劇場へ。

今年観た作品では一番良かった。
想像を絶することが起こるわけではないが、人間の心理がしっかりと描かれていた。

齢を取って思うのは、憧れの対象となる人間としての恰好よさ、品格みたいなものに男女差はないということだ。
むしろ同性の方が、自分もそうなれる可能性を感じる分、憧れとしては大きい場合もあるだろう。
だからといって恋愛感情に直結するわけでもないが、自分を理解してもらえている、この人といれば自分が変われるという感覚が、恋愛感情に変わるときもあるだろう。

ラストシーンのキャロル(ケイト・ブランシェット)の勝ち誇ったように見える表情は夢に出てきそうだ。
底知れない怖さを感じた。さすが、大女優の貫録である。

点数は、9点(10点満点)。

タイトル:キャロル
製作年:2015年
製作国:アメリカ、イギリス
配給:ファントム・フィルム
監督:Todd Haynes
主演:Cate Blanchett
他出演者:Rooney Mara、Sarah Paulson、Kyle Chandler、John Magaro
上映時間:118分


「スティーブ・ジョブズ」 (ねたばれ注意)

2016-02-13 19:57:59 | 映画
この作品を観ての率直な感想は、スティーブ・ジョブズは偉大ではない、むしろクズとして描かれている。
多くの人が知っている彼の事業の成功の裏にあった苦悩や葛藤にスポットを当てることで彼の非凡さがより引き立つのである。

日本人だから違和感を感じるのかもしれないが、元恋人を罵倒したり、社内の融和を一切無視できる自己肯定の源は何だったのだろう。
ジョブズが孤児で、自分しか頼るものがない境遇だったことを仄めかすシーンはあるが、それだけではないはずだ。

世間的な評価は、パッションとインスピレーションの人であるが、表面的な現象に惑わされない精神力と洞察力がずば抜けていたのだろう。
つまり、MacintoshやNeXT Cubeでの失敗は、その後のiMacやiPhoneの成功に向けての準備であったかのようだ。

ケイト・ウィンスレットが演じるジョアンナの役割が大きく描かれている。
天才と世間をつなぐ接着剤のような役割だ。
天才は単品では存在しえないこと、彼女の功績が現実として大きかったことへのリスペクトが感じられた。

点数は、7点(10点満点)。

タイトル:スティーブ・ジョブズ
製作年:2015年
製作国:アメリカ
配給:東宝東和
監督:Danny Boyle
主演:Michael Fassbender
他出演者:Kate Winslet、Seth Rogen、Jeff Daniels
上映時間:122分


「オデッセイ」 (ねたばれ注意)

2016-02-08 03:21:08 | 映画
「マット・デイモン」ショーだった。
お腹一杯というぐらいの試練の連続だが、ギリギリ踏ん張って、地球への帰還を果たす。
最初は孤独な闘いだったが、生きていることが分かってからは、地球規模でサポートを受けて、ヒーローに。

多くの人が価値を認める事業には自ずと支援者が現れるということを思った。

ただ、長かった。大変なエピソードが起こるが、想像の域を出ていないように感じた。
火星に人類はまだ行っていないので、火星独特の事件を盛り込むことは不可能なのだが。

点数は、6点(10点満点)。

タイトル:オデッセイ
原題:THE MARTIAN
製作年:2015年
製作国:アメリカ
配給:ワーナー・ブラザース映画
監督:Ridley Scott
主演:Matt Damon
他出演者:Jessica Chastain、Kristen Wiig、Chiwetel Ejiofor、Sean Bean
上映時間:142分