とりビーな毎日

中年おやじの映画鑑賞メインの趣味の記録です

「愛にイナズマ」(ネタバレ注意)

2023-10-28 23:59:00 | 映画
石井裕也監督作品。
コロナ禍を振り返りつつ、生きづらい世の中とそこからはみ出るような家族の物語。

松岡茉優の怒りの演技がよかった。
対照的に怒りを包み込むような窪田正孝の存在感が癒しになった。

人間は真実には意外と無関心で、自分の見たい世界しか見ないということを痛感した。
ステレオタイプな風評があたかも真実のように語られる。
コロナ禍でみんなが外出を控え、現場から遠ざかることが普通になり、より真実がわかりにくくなっている気がする。

ハグの意味は、相手の存在を認めるということ。
もちろん、認めたくない相手がいることもあるだろうが、無関心よりはましかもしれない。

人の才能というのは、あるかないかではなく、合う場所を見つけられるかどうかだと思う。
見つけようとする過程の中で、自分も変わるし、周りも変わる。
どこにたどり着くかはわからない。
人生とはそういうもので、いいのではないだろうか。

点数は、8点(10点満点)。

タイトル:愛にイナズマ
製作年:2023年
製作国:日本
配給:東京テアトル
監督:石井裕也
主演:松岡茉優、窪田正孝
他出演者:池松壮亮、若葉竜也、仲野太賀、趣里、高良健吾、MEGUMI、三浦貴大、益岡徹、佐藤浩市
上映時間:140分


モネ連作の情景(上野の森美術館)

2023-10-27 23:59:00 | 美術館
上野の森美術館にて、「モネ連作の情景」を鑑賞。

すべてモネの作品。
印象派以前から晩年までの作品を一堂に鑑賞できる。

見所は、同じモチーフを時間や天候を変えて、繰り返し描く連作だ。
日本の浮世絵から影響を受けたという指摘もあるらしい。

晩年は視覚障害を患っており、モネの目にはこういう見え方をしていたのかなという気もする。



チャリング・クロス橋、テムズ川(1903年)


ウォータールー橋、曇り(1900年)


ウォータールー橋、ロンドン、夕暮れ(1904年)


ウォータールー橋、ロンドン、日没(1904年)


睡蓮の池(1918年)

「キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン」(ネタバレ注意)

2023-10-26 23:59:00 | 映画
マーティン・スコセッシ監督作品。
1920年代のオクラホマでは、オセージ族が石油で莫大な富を得ており、白人を凌ぐほどだった。
その富に、多くの人が群がり、殺人事件が起きる。

オセージ族の女性と結婚した男アーネストをレオナルド・ディカプリオが演じる。
アーネストの叔父で、地元の名士でありながら、殺人事件を裏で操る黒幕ヘイルをロバート・デ・ニーロが演じる。
アーネストの妻モリーをリリー・グラッドストーンが演じる。

200分超えの大作だが、何とか最後までついていけた。
ディカプリオとデ・ニーロの演技に引き込まれたのと、次々と事件が起きる展開の速さのせいだろう。

1920年代だからということもあるのだろうが、かなり雑に殺人が行われる。
地元で職にあぶれている人間に殺人を依頼すると、若干の葛藤はあるものの、あっさり殺人が決行されてしまう。

裏で殺人を操るヘイルは十分に裕福な暮らしをしているにもかかわらず、殺人を重ねていく。
アーネストはヘイルの言いなりで、妻との板挟みになる。
悪く言うと、何も考えていないし、考えて実行する意志も持ち合わせていない人間だ。
最後にはヘイルを裏切って、妻との生活を選ぼうとするが、愛想をつかされてしまう。

そんなダメ男をディカプリオが演じており、目が離せない。
デ・ニーロの悪人ぶりも、悪びれるところが一切なく、真の悪人を思わせる。
すべてを悟ったようなリリー・グラッドストーンの演技も秀逸だ。

モリーの質問に対して、アーネストに正解はあったのだろうか。
モリーは、嘘をついたことが許せなかったのではなく、アーネストの思慮が足りないことに絶望したように感じた。

作品を観ていて思ったのは、無防備はダメということだ。
人の邪心を気付かずに刺激している。

点数は、9点(10点満点)。

タイトル:キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン
原題:Killers of the Flower Moon
製作年:2023年
製作国:アメリカ
配給:東和ピクチャーズ
監督:Martin Scorsese
主演:Leonardo DiCaprio
他出演者:Robert De Niro、Jesse Plemons、Lily Gladstone
上映時間:206分


「ザ・クリエイター/創造者」(ネタバレ注意)

2023-10-25 23:59:00 | 映画
AIが核を爆発させたところから始まるので、AIが暴走するような話を想像したが、まったく違った。

近未来を舞台としており、AIを敵視する西側諸国と、AIと共生するアジア諸国の対立の話。
西側諸国がアジア諸国のAIの拠点を攻撃する基地「ノマド」の破壊力が凄すぎる。
圧倒的な戦力差で、アジア諸国はいいようにやられる。

この劣勢を跳ね返すべく開発された少女型のAIと主人公の米兵のロードムービー的な面もある。

AIが人間のような感情を持つようになったとき、機械と呼べるだろうか。
人間を人間たらしめているのは、何なのか。

残酷さや狡さが人間らしさの一部であることは間違いない。
AIが核を爆発させたのも、人間が仕込んだバグが原因だったということで、何のための戦いなのかも、よくわからなくなってくる。

そういった混沌状態を監督は表現したかったのだろうか。
表現したいことが何なのか、よくわからなかった。

点数は、5点(10点満点)。

タイトル:ザ・クリエイター/創造者
原題:The Creator
製作年:2023年
製作国:アメリカ
配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン
監督:Gareth Edwards
主演:John David Washington
他出演者:Gemma Chan、渡辺謙、Sturgill Simpson、Madeleine Yuna Voyles、Allison Janney
上映時間:133分


2023年 菊花賞観戦 皐月賞馬VSダービー馬

2023-10-22 23:59:00 | 競馬
新装された京都競馬場で最初の菊花賞。
皐月賞馬ソールオリエンスとダービー馬タスティエーラが三度、雌雄を決する。
普通に考えると、トライアルレースを使ったソールオリエンスが有利に思えるが、どうだろう。
ダービーからのぶっつけ出走となるタスティエーラの自在性を買いたいと思いながら、京都競馬場へ。



パドックと返し馬を見て、タスティエーラの発汗が目立つ。
頭を上下に動かしており、入れ込んでいるように見え、単勝勝負はやめることにした。
では、ソールオリエンスかというと、こちらも力んでいるように見え、距離が持つかの不安がぬぐえない。
迷った挙句、一番、落ち着いて見えたドゥレッツァの単勝勝負を決断。

馬連は、先行勢で決まったときのタスティエーラ軸とソールオリエンスが突き抜けるケースの2パターンで組み立て。
先行勢が揃うと、意外とスローになるので、ワイドもいったいったを想定して購入。

レースがスタートすると、まさかの17番ドゥレッツァが先頭に立って逃げの手。
暴走かと思ったが、そうでもなさそうで、1,000mを60.4秒の平均ペース。
大外枠の不利を帳消しにするルメール騎手の神騎乗。
向こう正面では、5番パクスオトマニカ、6番リビアングラスに先頭を譲り、内の3番手に控えて、息を入れる。
4コーナを回って、残り200mで先頭に立って、そのまま押し切り。
2番手は、7番タスティエーラが馬群をさばいて、ドゥレッツァに迫ろうとするが、差は縮まらず。
14番ソースオリエンスは大外から追い上げたが、3着が精一杯。

長距離は騎手の腕とよく言われるが、ルメール・マジック炸裂といったところか。
終わってみれば、外国人騎手のワンツー。
この競馬ができるなら、ドゥレッツァは有馬記念でも面白いかもしれない。





単勝、馬連、ワイドが的中。


6番リビアングラスが惜しくも4着で外れ。