とりビーな毎日

中年おやじの映画鑑賞メインの趣味の記録です

「日本で一番悪い奴ら」 (ねたばれ注意)

2016-06-29 23:59:59 | 映画
なかなか昭和な空気の漂う作品だった。
素直さが取り柄の新米刑事が先輩の技(裏社会にスパイを仕込むこと)を盗んで出世し、やりたい放題やって、落ちぶれるまでを綾野剛が熱演。

今、見ると異常だが、当時の猛烈サラリーマンと同じで、主人公の諸星に悪気はなく、仕事に打ち込んでいるだけという感覚はわかるような気がした。
諸星には自分を守ろうという気持ちはあまりなくて、身内への優しさであったり、上司の期待に応えようとするピュアな部分と、それ故に周囲に流されてしまう弱さがある。
それを綾野剛が絶妙に表現しており、駄目ながらも愛すべきキャラクターになっていた。

点数は、7点(10点満点)。

タイトル:日本で一番悪い奴ら
製作年:2016年
製作国:日本
配給:東映、日活
監督:白石和彌
主演:綾野剛
他出演者:YOUNG DAIS、植野行雄、矢吹春奈、瀧内公美、田中隆三、青木崇高、木下隆行、ピエール瀧、中村獅童
上映時間:135分


「10 クローバーフィールド・レーン」 (ねたばれ注意)

2016-06-22 23:45:19 | 映画
J.J.エイブラムスの製作ということで観に行った。

謎が多く、伏線らしきものが回収されきっておらず、すっきりしない。
続きがありそうだが、この先、期待していいのかわからない。

主な登場人物は、ミシェル(メアリー・エリザベス・ウィンステッド)、ハワード(ジョン・グッドマン)、エメット(ジョン・ギャラガー・ジュニア)の3人。

ハワードがミシェルをシェルターに監禁しているが、外の世界は空気が汚染されており、ハワードは助けたと主張している。
ハワードがシェルターを持っていることは近所では有名らしく、エメットはそれを知っており、助けを求めてハワードのシェルターへ来たらしい。
エメットの妹が行方不明だが、ハワードが誘拐して、殺した疑惑が出てきて、ミシェルとエメットはシェルターからの脱出を計画するが、ハワードにばれて、エメットは殺されてしまう。

シェルターの外が危険というのが、ミシェルを逃げさせないための、ハワードの嘘なのか。
本当に危険ならシェルターから脱出すべきではないのか。どうする、ミシェル。

最後の正体不明の敵はおまけか。
続編があるとすれば、ミシェルが強さを身につけていくエピソードを表現したことになるのだろう。

点数は、5点(10点満点)。

タイトル:10 クローバーフィールド・レーン
製作年:2016年
製作国:アメリカ
配給:東和ピクチャーズ
監督:Dan Trachtenberg
主演:Mary Elizabeth Winstead
他出演者:John Goodman、John Gallagher Jr.
上映時間:104分


「クリーピー 偽りの隣人」 (ねたばれ注意)

2016-06-21 00:54:48 | 映画
脳の普段使わない部分を揺さぶられた感じ。
人間の心の闇を表現しているように見えて、エンターテインメントのオブラートに包みながら、人を精神的に支配するメカニズムは、日常の世界に組み込まれていることに気付かせてくれる作品だ。

香川照之が演じる西野の気持ちの悪い表情に注目してしまうが、西島秀俊が演じる主人公の高倉もかなり病んでいるし、東出昌大が演じる刑事も普通ではない。
全員が異常性を抱えていて、誰に感情移入するか、迷いながら、ストーリーが展開していく。

よくわからなかったのが、竹内結子が演じる高倉の妻、康子がいつから西野に精神的に支配されたかだ。
薬物依存が関係しているようだったが、一線を越えたタイミングが、わからなかった。

また、2軒隣の田中家の主婦が「西野は鬼」と高倉に告げた根拠も描かれていなかった。
何かを知っていたのだろうか。

原作を読めば、謎が解けそうにも思うが、そこまで浸りたくない恐怖感がある。

点数は、8点(10点満点)。

タイトル:クリーピー 偽りの隣人
製作年:2016年
製作国:日本
配給:松竹、アスミック・エース
監督:黒沢清
主演:西島秀俊
他出演者:竹内結子、川口春奈、東出昌大、香川照之、藤野涼子、笹野高史
上映時間:130分




「マネーモンスター」 (ねたばれ注意)

2016-06-17 22:52:15 | 映画
なかなか展開が読めず、面白かった。

ジョージ・クルーニー演じる司会者のゲイツは、最初は自分が助かることしか考えていなかったはずだが、自分も騙されていたかもしれないことに気付いて、犯人を助けたいとの心境の変化が起こる。

人質になっている間、イヤホンを通じて、ジュリア・ロバーツ演じるディレクターのパティとやり取りすることで状況把握し、適切に対処していくところに、普段の番組で視聴者を魅了する様が垣間見れる。
このあたりの想像力をかきたてる演出が、さすが、ジョディ・フォスターといったところか。

短時間で犯人の素性が明らかになり、恋人が出てきて、罵るところは、いかにもありそうで、犯人への感情移入を誘う効果があるのだろう。

そうしておいて、犯人が射殺されて、エンドロールという結末。

ジョディ・フォスターの次回作に期待。

点数は、8点(10点満点)。

タイトル:マネーモンスター
製作年:2016年
製作国:アメリカ
配給:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
監督:Jodie Foster
主演:George Clooney
他出演者:Julia Roberts、Jack O'Connell
上映時間:99分


「64-ロクヨン- 後編」 (ねたばれ注意)

2016-06-15 01:16:14 | 映画
前編に続き、鑑賞。
この映画は、佐藤浩市の代表作になる。

しかし、アナログ。こんな方法で犯人を見つけるとは。執念といってもいい。
この映画はいたる所に人生の機微が描かれている。

また、事件は解決されるべきだが、それはハッピーエンドではない。
事実の残酷さから逃げることはできない。向き合うしかない。

点数は、9点(10点満点)。

タイトル:64-ロクヨン- 後編
製作年:2016年
製作国:日本
配給:東宝
監督:瀬々敬久
主演:佐藤浩市
他出演者:綾野剛、榮倉奈々、夏川結衣、緒形直人、窪田正孝、坂口健太郎、烏丸せつこ、小澤征悦、滝藤賢一、奥田暎二、仲村トオル、吉岡秀隆、瑛太、長瀬正敏、三浦友和
上映時間:119分