とりビーな毎日

中年おやじの映画鑑賞メインの趣味の記録です

「侍タイムスリッパー」(ネタバレ注意)

2024-10-31 23:59:00 | 映画
幕末の京都で会津藩士の侍が雷に打たれて、現代の時代劇撮影所にタイムスリップする話。
侍は時代劇の「斬られ役」として生きていく。

コメディだが、時代劇へのリスペクトに溢れる感動作。
安田淳一監督が私財を投じて製作したインディーズ作品だが、異例のヒット。

山口馬木也が演じる会津藩士、高坂新左衛門のひたむきさに心打たれる。
必死に生きる人の美しさに感動するのだろう。
この必死さの一部は、低予算の現場のごたごたがもたらしたものかもしれない。

殺陣のシーンが何度も出てくるが、竹光だとやはり軽く見える。
それを真剣に見せる技術であったり、血糊であったり、時代劇の面白さも味わえる。

点数は、9点(10点満点)。

タイトル:侍タイムスリッパー
製作年:2023年
製作国:日本
配給:未来映画社
監督:安田淳一
主演:山口馬木也
他出演者:冨家ノリマサ、沙倉ゆうの、峰蘭太郎、紅萬子、福田善晴、井上肇、田村ツトム、安藤彰則、庄野﨑謙
上映時間:131分


2024年 天皇賞(秋)観戦 ユタカマジック炸裂

2024-10-27 23:59:00 | 競馬
昨年は、絶対王者イクイノックスが驚異のレコード勝ち。
今年、そこまで突出した馬はいないが、好メンバーが揃った。
3冠牝馬リバティアイランドと秋3戦で引退が決まっているドウデュースが2強か。
これにルメール騎手のレーベンスティールがどこまで迫れるか。
昨年2着のジャスティンパレスも不気味。

調教でもリバティアイランド、ドウデュース、レーベンスティールの3頭が出色。
この3頭が上位人気で単勝オッズ1桁。
ただ、リバティアイランド、ドウデュースは後方からなので、スローペースになったときに進路がなくて届かないことはあり得る。
とは言え、先行馬が逃げ切ることもないだろうと考え、鞍上のクリスチャン・デムーロ騎手の腕込みで10番ダノンベルーガの単勝購入。
3連複で12番リバティアイランド、7番ドウデュースの2頭軸と内枠の先行勢1番べラジオオペラ、4番タスティエーラの2頭軸で勝負。

レースがスタートし、予想通り9番ホウオウビスケッツが逃げて、13番シルトホルンが2番手。
べラジオオペラとタスティエーラがその後ろにつけて向う正面。
淡々と進むかと思われたが、3コーナ手前で早めにリバティアイランドが外から3番手につける。
直線入口でリバティアイランドが上がっていこうとするが、伸び切れず、残り200mで失速。
ホウオウビスケッツが残るかと思ったが、残り50mでドウデュースが外からすごい伸びで先頭へ躍り出る。
タスティエーラが2番手に上がったがドウデュースには迫れず、そのままゴール。
武豊が小さくガッツポーズ。

内から馬群を縫って11番ジャスティンパレスがホウオウビスケッツに迫っていたが4着。
ダノンベルーガは見当たらず。

ドウデュースは直線ラスト600m32.5秒の鬼脚。
武豊は昨年、直前のアクシデントでドウデュースに乗れなかったが、1年ぶりに忘れ物を取ることができた。
見事という他ない。

リバティアイランドはいい感じで直線に向いたように見えたが、敗因が謎。
馬体が立派になって距離が持たなくなったのだろうか。

ジャパンカップは海外の有力馬の参戦もあり、かなり盛り上がりそうだ。楽しみ。






はにわ展(東京国立博物館)

2024-10-25 23:59:00 | 博物館
東京国立博物館で開催の、「特別展 はにわ」を鑑賞。

これだけ沢山の埴輪をじっくりと観たのは初めてだ。
埴輪は古墳時代の3世紀から6世紀にかけて作られ、古墳に並べ立てられていたと考えられている。

壺形埴輪から円筒埴輪、さらには様々な形象埴輪が生み出されていった。
形象埴輪には、家形埴輪、武器などの道具を模した器財埴輪、鶏や馬などの動物埴輪、大王に仕える武人などの人物埴輪がある。

その中でも見所は、国宝を含む5体の「挂甲の武人」だ。
いずれも群馬県太田市域の窯で焼かれており、同じ工房で製作された可能性があるとのこと。
当時の彩色を復元した模型も展示されていた。

埴輪の変遷を観て、最初は古墳の祭祀的な役割を担う構造物だったものが、人間の芸術表現に変わってきていると感じた。
そういう展示の見せ方という部分もあるが、人間の遊び心や好奇心が反映されているのではないだろうか。
埴輪の奥深さを垣間見ることができた。



国宝 埴輪 挂甲の武人(東京国立博物館蔵)


彩色復元


鵜形埴輪

モネ 睡蓮のとき(国立西洋美術館)

2024-10-25 23:50:00 | 美術館
国立西洋美術館にて開催の「モネ 睡蓮のとき」を鑑賞。

見所は、睡蓮の連作作品を20点以上まとめて観ることができること。
特に大画面の作品は細部までじっくりと観ることで、モネの繊細さを感じることができる。

同じモチーフを数点、時間を変えて描くことで、モネが時間の移ろいとともにかわる色彩の変化を表現している作品も興味深い。

音声ガイドは、石田ゆり子がナビゲーターを担当。
この展示の雰囲気と合っており、テーマソング「私のモネ」も心地よかった。



睡蓮(1916年、国立西洋美術館)


睡蓮(1916-1919年頃、マルモッタン・モネ美術館)

「室井慎次 敗れざる者」(ネタバレ注意)

2024-10-19 23:59:00 | 映画
「踊る大捜査線」シリーズから室井管理官のその後を描くスピンオフ。
「踊る大捜査線 THE MOVIE2 レインボーブリッジを封鎖せよ!」が公開されたのは2003年。
20年以上が経って、登場人物たちがどう変わっていったのか。
この間の世の中の流れや視聴者の変化に合わせて、どう物語を作っていったのか。
期待と興味を持って、映画館へ。

昔のドラマでは、約束は必ず果たされるものだった気がするが、室井と青島の約束は果たされず、警察組織は旧態依然としたまま。
失意のうちに室井は警察を退職。
青島や湾岸署の面々との縁も切れてしまっているよう。
秋田の山奥に移住し、犯罪の被害にあった子供を里親として育てる日々。

こんな将来が20年前に想像できただろうか。
しかし、室井の誠実な人柄は変わらず、子供たちに愛情を注いで、1日1日を丁寧に生きている。
田舎の閉鎖的な社会にスポットを当てるなど、今の社会の問題にも向き合おうとしている。

これだけで満足なのだが、秋田の山奥にも犯罪の影が忍び寄る。
事件の謎解きは後編に続く。

点数は、8点(10点満点)。

タイトル:室井慎次 敗れざる者
製作年:2024年
製作国:日本
配給:東宝
監督:本広克行
主演:柳葉敏郎
他出演者:福本莉子、齋藤潤、前山くうが、前山こうが、松下洸平、矢本悠馬、生駒里奈、丹生明里、松本岳、佐々木希、筧利夫、甲本雅裕、遠山俊也、西村直人、赤ペン瀧川、升毅、真矢ミキ、飯島直子、小沢仁志、木場勝己、稲森いずみ、いしだあゆみ
上映時間:115分