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とりビーな毎日

中年おやじの映画鑑賞メインの趣味の記録です

「片思い世界」(ネタバレ注意)

2025-04-11 23:00:00 | 映画
この作品は予備知識なしで観るのがお薦め。
その理由はご覧いただければわかるはず。
なにか違和感があるところから、席を立たずに観て欲しい。

あり得ないと言ってはいけないのかもしれないが、あり得ない設定を通して伝わってくるものがある。
人間の優しさや無関心、表と裏。
そんな中で生きていくこと。

自分たちはみんな傍観者ではないと教えてくれている。

主演女優3人に劣らず、横浜流星がここでも好演。
オーラのない役への成りきりが素晴らしい。

点数は、8点(10点満点)。

タイトル:片思い世界
製作年:2024年
製作国:日本
配給:リトルモア、東京テアトル
監督:土井裕泰
主演:広瀬すず、杉咲花、清原果耶
他出演者:横浜流星、小野花梨、伊島空、moonriders、田口トモロヲ、西田尚美
上映時間:126分


「ノー・アザー・ランド 故郷は他にない」(ネタバレ注意)

2025-03-23 23:59:00 | 映画
パレスチナ、ヨルダン川西岸のパレスチナ人居住地区「マサーフェル・ヤッタ」がイスラエル軍に占領されていく様を捉えたドキュメンタリー。
パレスチナ人青年バーセルとイスラエル人ジャーナリストのユヴァルが立場を超えた友情を育みながら、占領の実態を世界に告発する作品である。

パレスチナ人の住居がイスラエル軍に破壊されていく。
パレスチナ人たちも必死で抵抗し、デモで反発の意思表示をするが、圧倒的な武力で制圧される。
現場の軍人に責任はないのかもしれないが、非武装のパレスチナ人に発砲したり、憎悪が蓄積される緊張感が漂っている。

イスラエル人ジャーナリストのユヴァルはイスラエルを裏切っていると軍人から非難されるが、人道的に間違ったことを許さない姿勢を崩さない。

何が正義なのかは立場によって異なるものの、一般市民の日常生活を破壊する行為が正しいとは思えない。
フェイク情報や誹謗中傷など、SNSの悪い面がクローズアップされることが多いが、草の根の一般市民が世界に向けて情報発信できるツールであることは素晴らしい。
SNSがなければ、こういった情報はマスメディアで取り上げられることはなく、誰も知らないままに占領が進んでいただろう。

とはいえ、一端が知られただけで解決できるような生やさしい状況ではない。
ユヴァルのような人間が出てくることが民主主義のよいところであり、未来に向けて、パレスチナ問題が平和的解決に向けて前進することを祈る。

点数は、8点(10点満点)。

タイトル:ノー・アザー・ランド 故郷は他にない
原題:NO OTHER LAND
製作年:2024年
製作国:パレスチナ、ノルウェー
配給:トランスフォーマー
監督:Basel Adra、Hamdan Ballal、Yuval Abraham、Rachel Szor
出演者:Basel Adra、Yuval Abraham
上映時間:95分


「366日」(ネタバレ注意)

2025-03-21 23:59:00 | 映画
沖縄出身のバンド、HYの代表曲「366日」からインスパイアされて製作されたラブストーリー。
赤楚衛二が演じる湊と上白石萌歌が演じる美海の高校生からの20年間を描く。

齢を取ると涙腺が弱くなり泣ける作品だったが、湊の孤独に耐える強さは半端無いなと思った。
愛する人に心配や迷惑をかけたくないという一心で、相手を遠ざけてしまうというのは、違うのではないかとも感じた。
答えは出ないが、愛する人に迷惑をかけてしまう自分の弱さを認められないだけではないかとも思う。

ただ、そうだとしても、赤楚衛二の演技は素晴らしかった。
普通ここまで冷静になれる人間はいないと思うが、感情の出し方がちょうどよいと感じた。

ラストの湊と美海が浜辺ですれ違うシーンは蛇足だったかも。
お互いが別の道を歩むことを決断していたという答え合わせだと思うが、ネタバレみたいで少し興醒めだった。

点数は、10点(10点満点)。

タイトル:366日
製作年:2024年
製作国:日本
配給:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント、松竹
監督:新城毅彦
主演:赤楚衛二、上白石萌歌
他出演者:中島裕翔、玉城ティナ、稲垣来泉、齋藤潤、溝端淳平、石田ひかり、国仲涼子、杉本哲太
上映時間:122分


「劇場版モノノ怪 第二章 火鼠」(ネタバレ注意)

2025-03-14 23:59:00 | 映画
「劇場版モノノ怪 唐傘」に続く第二弾。
大奥を舞台とした人間の情念が怪異に変わる世界を描く。

自分を許すことで人間は生きていくことができる。
大奥を舞台にしたフィクションでありながら、普遍的な人間の想いを描いているところに惹かれるのだろうか。
ただ、普遍性を追究しようとすると、普通のストーリーになってしまう。

アニメ的なグラフィック表現の斬新さは、第二弾では薄れてくるので、第三弾の続編を観るかは迷うところ。

点数は、7点(10点満点)。

タイトル:劇場版モノノ怪 第二章 火鼠
製作年:2025年
製作国:日本
配給:ツインエンジン
監督:中村健治
主演:神谷浩史
他出演者:戸松遥、日置陽子、梶裕貴、細見大輔、黒沢ともよ、チョー、堀内賢雄
上映時間:74分


「奇麗な、悪」(ネタバレ注意)

2025-03-08 23:59:00 | 映画
中村文則の小説の映画化。
瀧内公美が演じる主人公の自分語りで聴き手はいない。
最初と最後の雑踏シーンではエキストラを使っているかもしれないが、瀧内公美の一人芝居。
かなり実験的な作品ではある。

語られる内容がある意味ピュアで、「奇麗な、悪」というタイトルにつながるのだろう。
主人公がかつて通っていた精神科医に向けた語りという設定なので、真実ではないのかもしれない。
語り終えた主人公が雑踏に紛れて、どこかへ帰っていく。
毒を吐き切ったような清々しい表情で。
これは希望を表現しているのだろうか。

小説で答え合わせをしてみたくなった。

点数は、6点(10点満点)。

タイトル:奇麗な、悪
製作年:2024年
製作国:日本
配給:NAKACHIKA PICTURES
監督:奥山和由
主演:瀧内公美
上映時間:78分