妻がポソリと言った
「カラスは暑くないのかしら?」
「どうしたの?」
「この暑さの中、向かいの家のアンテナにとまっているじゃない。真っ黒で暑そうじゃない?」
この人はカラスのことまで心配してくれてるのか?
「カラスに聞いたことないからわからないけれど、鳥だから暑けりゃ涼しい所に飛んでいくのではないだろうか?
渡り鳥なんてのは、暑くなれば涼しい所に、寒くなれば暖かい所に飛んでくんじゃないのか?」
「そうだよねえ。」
そうは言ったものの
確かに真っ黒くろすけで、しかも羽毛
鳴き声さえも
「あぢ~あぢ~・・・。」と聞こえてきた
日中の温度計は37度をさしていた
人も「渡り人」となって涼しい所に行きたいよ
「昔はこんなに暑かったかな?」
と尋ねると
秋田生まれの妻は
「大館はこんなに暑くなかった気がする。」
確かに栃木よりは随分北だし
涼しいような気もするけど
山形の酒田が暫くの間40度くらいの日本記録を持っていたのではなかったか?
フェーン現象と言うのもなかったか?
「北か南かも大事だが、都会のコンクリートに覆われたところと、田舎の土や木のある所では
随分違うよね。」
宇都宮から市貝に戻ってくると
2~3度低く感じるぞ
と言うことは
昔はコンクリートに覆われた所はあまりなかったから
涼しかったのだろうか?
「熱中症で倒れる人って昔はいたのかな?」
「いたかもしれないけれど、聞くことはなかったと思う。」
昔が涼しかったのか
昔の人が丈夫だったのか
あるいは
情報が伝わらず、知らないだけだったのか?
昔の人は
危険と安全の境界の見極めがわかっていて
無理をしなかったのか?
でもねえ
私らの学校時代
運動部で練習中水を飲むなって言ってたんだよねえ
今とは全然逆じゃないか
時代と共に常識も変化するし
学校で習うことも違ってきているなあ