毎日整骨院に行っている
尻から背中に湿布を貼られてからだと風呂に入れないので
行く前に風呂に入ることにしている
前の日の湿布を剥がしていたが
背中はどうしても手が届かない
妻はどこにいるのかと探すと
裏山で草刈り機を使って草刈りをしている
エンジンの音がうるさいので叫んでも聞こえない
しょうがないので定規を使って背中の湿布を取ろうとしたが
やってみるとなかなか困難な事がわかった
どうしようか
背中のかゆい熊が木にこすりつけるように
私も脱衣所の壁にこすってみたけれど
やっぱりとれない
こまったなあ
このまま風呂に入ったらどうなるものだろうか?
ふやけて取れてきたりしないだろうか?
しかし取れない場合は
濡れたものを背中に貼ったまま整骨院に行かねばならないかもしれない
思案していると妻が庭の芝生あたりを刈っているのが見えた
ここならば声が届くかもしれないと
パンツ一丁で近くの掃き出し窓まで行って
叫んでいると、ふとこちらを向いた
背中の湿布を指差し取ってくれと身振り手振りで訴える
ところが妻はにこやかに手を振って
いってらっしゃ~いとやっている
違う!違うのだ!
取ってほしいのだ
夫婦の仲とは言え意思の疎通の難しさ
ジタバタしている私に何かを感じて
エンジンを止め近づいてきた
「取ってほしいのだ。」と懇願
パンツ一丁の亭主の悲哀
めでたく2枚の湿布を剥いでもらい
風呂に入り整骨院に向かったのでありました
めでたしめでたし