「トリクルダウン(trickle down)」という言葉をご存知でしょうか。水滴がひとしずく、ひとしずく、ポトリポトリとしたたり落ちる様子をいいます。
経済用語に「トリクルダウン理論」というものがあります。強いものが富めば、貧しいものにもそのおこぼれがしたたり落ちるという考え方です。すなわち企業が潤えば、やがて賃金上昇を通じて社員の家計も恩恵を受けるというのです。
これまで日本の経済政策もこの考え方で行ってきました。大企業や生産部門への経済支援がまわりまわって市民生活を潤し、全体として経済の底上げがなされ経済成長が進むと考えてきました。消費部門よりも生産部門を重視してきました。
この考え方はかつての高度経済成長時代にはあたっていたかもしれません。しかし経済成長が落ち込んでいる現在にはとうてい通用しない考え方です。これまで国は大企業減税を実施し、企業にとって使い勝手のいい「派遣労働」という雇用のしくみを導入してきました。
その結果はどうだったでしょうか。景気は好転しましたが家計は良くなりませんでした。強いものはさらに強く、弱いものはさらに弱く。格差が広がり続けるだけでした。そして若者の閉塞感は一層強まりました。したたるはずだった「しずく」ものこらず途中で吸い取られてしまったのです。
いま民主党政権はこれまでの生産重視の経済政策の舵(かじ)を生活重視に切り替えようとしています。識者の中にはアクセルとブレーキを同時に踏むようなものだと批判する人もいます。しかしこれまでのようなやり方では駄目なことははっきりしています。これは新しい挑戦でもあります。市民の生活を重視しそこを温めようとする政策に期待したいと思います。
経済用語に「トリクルダウン理論」というものがあります。強いものが富めば、貧しいものにもそのおこぼれがしたたり落ちるという考え方です。すなわち企業が潤えば、やがて賃金上昇を通じて社員の家計も恩恵を受けるというのです。
これまで日本の経済政策もこの考え方で行ってきました。大企業や生産部門への経済支援がまわりまわって市民生活を潤し、全体として経済の底上げがなされ経済成長が進むと考えてきました。消費部門よりも生産部門を重視してきました。
この考え方はかつての高度経済成長時代にはあたっていたかもしれません。しかし経済成長が落ち込んでいる現在にはとうてい通用しない考え方です。これまで国は大企業減税を実施し、企業にとって使い勝手のいい「派遣労働」という雇用のしくみを導入してきました。
その結果はどうだったでしょうか。景気は好転しましたが家計は良くなりませんでした。強いものはさらに強く、弱いものはさらに弱く。格差が広がり続けるだけでした。そして若者の閉塞感は一層強まりました。したたるはずだった「しずく」ものこらず途中で吸い取られてしまったのです。
いま民主党政権はこれまでの生産重視の経済政策の舵(かじ)を生活重視に切り替えようとしています。識者の中にはアクセルとブレーキを同時に踏むようなものだと批判する人もいます。しかしこれまでのようなやり方では駄目なことははっきりしています。これは新しい挑戦でもあります。市民の生活を重視しそこを温めようとする政策に期待したいと思います。