(写真)戸田市役所前にて
広報調査特別委員会と議会運営委員会の合同の行政視察第2日目は埼玉県戸田市議会でした。朝10時に市役所を訪問しました。
戸田市は東西7キロ南北4キロで、埼玉県南部に位置し、荒川を境に東京都と隣接しています。人口12万人、市内には戸田競艇場や戸田ボートコースがあります。戸田市の市会議員は25名、平均年齢52歳、最低年齢34歳、最高年齢63歳の若い市議会です。
戸田市議会は平成15年から議会改革に取り組んで来ています。その状況を議会事務局の方から2時間にわたってお聞きしました。その取り組みの主な内容は以下の通りです。
1、委員会傍聴の見直し →市民に開かれた定例会内の常任委員会の議案や請願の審議を公開。その後定例会中の議会改革特別委員会を除く特別委員会に拡大、さらに閉会中や臨時会における委員会にも拡大されました。
2、政務調査費の見直し →透明性を高めるため領収書写しを添付して提出することになり、さらに領収書は原本添付となりました。
3、一般質問を一問一答方式に変更 →わかりやすく白熱した論戦とするために初回のみ総ざらい質問・答弁で行い、2回目から一問一答方式。質問は議員席前に設置した質問席で行なうことにしました。質問持ち時間(答弁含まず)は40分から35分にしました。
一問一答方式にするとどうしても時間が長くなり、時間配分がうまく行かず尻切れトンボになり、失敗された方もいらっしゃったようです。事前の行政当局との打ち合わせなどが重要だとおっしゃっていました。定着するまで2・3年かかったようです。やってゆく中で考えて行くことが大切とのことでした。東御市でもこの3月議会から一般質問を一問一答方式で行なうことになっていますのでとても参考になりました。
4、陳情の取り扱いの見直し →陳情は議場配布としたそうです。市民の意向を無視するのではなく、その陳情が必要なものであるならば議員同士で話し合えばいいとの説明でした。これまで陳情については会派間で意見が別れ継続審議になることが多かったそうですが、これにより議会運営が効率化されたそうです。その結果陳情そのものが出てこなくなったそうです。
5、議会中継 →議会の様子を知りうる環境をつくるためインターネットライブ中継・録画中継を実施。
6、議員信条の制定 →倫理規定について議論し、議会・議員のあり方も含めた「議員信条」を制定しています。
7、各付属機関における議会選出の委員の引き上げ →監査委員も含めた36の付属機関等のうち法律や条令で派遣が定められているものを除き、25機関から委員の引き上げを実施しました。
8、委員会のあり方 →委員会の活性化のため毎月1回の常任委員会の開催を実施。1年間の活動テーマや計画を決めて運営することなりました。また行政視察はこれまで本会議場における委員長報告のみとなっていましたが、委員会としての見解や提言ができるように検証・精査を行なうように改めました。
9、市民への情報提供・市民との意見交換会の実施 →現在他市で行われている議会報告会は当面実施しないとのことでした。これは地域の広さ、各議員個人の日常活動など総体的に判断して決めたそうです。一方一般市民に議会を傍聴し感想を提出してもらう議会モニター制度を平成23年4月より実施するとのことでした。学識経験者による議会アドバイザー制度も検討しているそうです。
10、議決事項の追加 →議会で議決を要する事項に総合振興計画の基本計画を加えることになりました。都市マスタープランなどの分野別計画の取り扱いは今後検討するとのことでした。
11、議会基本条例の制定は意見交換を継続中です。
残念だったのは議員さん自身から議会改革についてお聞きできなかったことです。事務局の方からていねいにご説明いただいたのですが、やはりその真意は議員さんでなければわからないのではないかと思いました。たとえば議会報告会の実施を行なわないと決めた点など、議員さんから直接お話しをお伺いできればと思いました。議会改革には様々な意見や思惑もありなかなか一筋縄ではいかないようです。
戸田市議会事務局の皆さんには私達の質問に最後までお付き合いいただき、大変お世話になりました。ありがとうございました。