議員の賛否を公表してほしい

2011-02-07 22:53:06 | 議会だより
「市議会だより」について「議員の賛否を公表してほしい」というコメントをいただきました。以下にその要旨を掲げます。

さまざまな議案について、議員の皆様の賛否を公表してください。たとえばТPP反対の態度を表明されたのはどなたか、賛成の意見の方はおられたのか、明らかにされて然るべきでしょう。星取表ではありませんが、議会毎の議員さんの発言一覧が欲しい。(中略)「定量的な情報」「旗色鮮明な分類」かつ「簡素で充実」した議会報を。よろしくお願い致します。

私は議員ごとの賛否の公表は必要だと思っています。実際にいくつかの市町村では公表しています。下記に掲げる千代田区議会はホームページで公開しています。左側が案件名、上に議員名、一覧表になっています。



以前私は議会広報調査特別委員会においてこれを問題として取り上げ議論したことがあります。しかし賛同が得られず実現しませんでした。その反対理由の一つに「簡易採決」という問題がありました。

議会における採決の方法について定めたものに、全国町村議会議長会が作成した「議員必携」という本があります。その中に「表決」(採決のことを議会ではこう言います)は「『起立表決』を原則とし、ほかに記名投票又は無記名投票による表決と簡易表決」としています。

一方東御市の議会運営を定めた「東御市議会先例集」では「表決は簡易表決によるのが例であるが、異議あるもの及び議長が必要と認めるものについては、挙手又は起立によるのが例である」としています。先例集は会議規則ではないので「例である」という独特の言い回しになっています。

すなわち東御市の場合「簡易表決」が一般的なのです。それでは簡易表決はどのように行なわれるのでしょうか。具体的な事例を掲げます。

その1、議長「ご異議ございませんか」
    議員「異議なし」
    議長「本件は成立しました」。
その2、議長「賛成の諸君の起立を求めます」
    (賛成議員が起立する)
    議長「起立多数、よって本件は成立しました」
    (反対や保留は聞いていません)


すなわち議案への「賛成」のみを明らかにし、「反対・保留」についてはあえて聞かないのです。ましてどの議員が賛成したのか、反対したのか議事録に記載されることもありません。私も採決に参加していながら一番前の席なので、誰が賛成したのか反対したのかまるでわかりません。

これは現在の議会運営の目的が議事の円滑な進行にあるからです。賛成が多いかどうかさえわかればいいのであって、あえて議員個人個人の議案に対する態度を明らかにする必要はないと考えているからです。

こうしたことからご質問にあるような賛否の一覧表は、議会運営の方法を変えなければ実現できないのです。「異議なし」についてもその内容は様々です。積極的賛成から消極的賛成、また反対だけれどあえて異議を唱えるほどではないと考えている方もいらっしゃるかもしれません。それを「異議なしだから賛成だ」と決めつけるのもいかがなものでしょうか。

先に掲げた千代田区議会の場合は「電子表決」という方法でこれをクリヤーしていました。議員の議席に賛否のボタンがあり、それを押すと議場に設置されているディスプレーに表示されます。これですと時間もかかりません。

あえて一覧表で掲載するとすれば「起立表決」や「記名投票」などに限定するかどうかです。しかし常任委員会においては「挙手」により「保留・反対・賛成」の順に表決しているので可能かもしれません。

たかが議員一人ひとりの議案への賛否を明らかにするということが、実は議会運営の根幹にまでかかわる大問題なのだということをあらためて思い知らされました。しかし、だからといって私はこの問題をあきらめたわけではありません。議員は市民に対して議会における自己の行動に対して説明責任があります。何らかの方法で取り上げたいと思っています。

引き続き入札問題を考える

2011-02-07 14:31:24 | 議会活動


先日一般競争入札に関して信州市民オンブズマンが発表したデータをマトリックスに整理してみました。X軸に入札したうちで落札率が90%以上だったものの割合を、Y軸に入札における一般競争入札の割合をとり、その中に19市をプロットしてみました。

まず目に付くのは左上の集団です。これは一般競争入札の割合が低く、90%以上の落札率が多い市です。東御市はここに入ります。東御市は一般競争入札が4.6%、落札率90%以上が全体の79.3%となっています。

次に目に付くのは右下の市です。小諸市や千曲市がそうです。大多数が一般競争入札で、90%以上の落札は9%にすぎません。千曲市も一般競争入札71%で、90%以上の落札は17.5%となっています。

市民オンブズマンはこの表から、「一般競争入札の割合が低く指名競争入札が多いことが業者による談合の温床となり、その結果落札率が90%を越える結果となっている」と分析します。

このグラフから見ると、一般競争入札の割合が少なくても90%落札率の割合が少ない市(長野市、須坂市、茅野市)があったり、その逆に一般競争入札の割合が高い反面90%落札の割合が高い市(塩尻市、安曇野市、伊那市)があったりします。必ずしも一般競争入札が高ければ90%入札率は低いという相関関係は成り立ちません。ただ一般的傾向としてオンブズマンの指摘もうなずける面もあります。

東御市の場合、一般競争入札が4.6%と異常に低く、大多数が指名競争入札であることも気になります。これは飯山のゼロに次ぐ低い数字です。契約のうち約8割が予定価格の90%以上で落札していることも気になります。

実際のところ御牧乃湯の改修工事の落札率が95.6%と限りなく100%に近くなっています。この落札率の差、0.4%は金額で言うと120万円。これでは市の予定価格が洩れていたと思われても仕方がないのではないでしょうか。

これについて市民の皆さんはどのようにお考えになりますか。

市議会だよりへの感想をお寄せください

2011-02-07 07:39:54 | プロフィール
2月1日発行の「市議会だより」について知人からメールをいただきました。広報委員全員でとことん話し合っての成果ですので、評価していただきとてもうれしく思っています。以下に掲げさせていただきます。

「市議会だより」は本当に読みやすくなりました。「ミニ解説」も良いですね。
「話題を追って」のマークも可愛い。いろいろな工夫に感心しきりです。
そして第9号の「議会だより」、特に第一面は何度見てもほれぼれします。
もちろん若林さんの理念と行動の裏付けが有る内容だからなのですが、
すっきり整理されて頭に入って来る紙面作りで読み進めると、
より良い市政になって行きそうと云うワクワク感さえ有ります。
有り難うございました。 


多少誉めすぎかなと面映い気持ちもしますが、こうして興味を持っていただくことが何よりも必要だと思います。これまでは「市議会だより」に対する市民の皆さんからの反応はほとんどありませんでした。そのため編集側からすれば、このままでいいのではないかと自分に都合良く考えがちです。

私はより良い紙面づくりのためには、市民の皆さんからの率直なご意見が必要だと思っています。今後そうした仕組みづくりを進めて行きたいと思います。

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