言ったタイミングが悪かった。
だが「台風が近づくとなぜかワクワクする」気持ちは共感出来る。
多くの人がそうではないか?
もっともそれは脳天気な子どもの頃の話。
雨戸を閉め、家族がひとかたまりになって台風が来て去って行くのを待つ。
停電になっても、蝋燭を囲めば、それもまた不思議と楽しかったり。
怖いが楽しい。
子どもの頃の台風にはそんな奇妙な魅力があった。
もちろん被害に遭えば、そんな悠長なことは言ってられないが。
恐怖と楽しさが同居した不思議な夜を過ぎて迎えた朝。
台風一過の青空の美しかったこと。
倒れた木々も、洪水の落とし物も、取り残された魚も、子どもの目にはひっくり返したオモチャ箱みたいなもの。
ワクワクして散策した。
そんな気持ちを言いたかったのかなとは思うが、台風が近づいている時に言うことではないな。
でも、そんなワクワクを共感出来ない人よりは良い。