後輩がドキュメンタリーを作った。
外国人労働者の問題。
根っこにあるのは外国人技能実習制度が有する闇。
本来の目的から外れ、労働力不足を補うために悪用されている。
番組としては2本目。
ニュースでたびたび特集を組んでいる。
所属する放送局には稀有な調査報道。
伝えられる事実は目を覆いたくなるほど劣悪。
同じ県民であることが恥ずかしくなる。
もちろん劣悪な環境で働く外国人ばかりではない。
まるで家族の一員のように大切に雇用している人もいる。
何しろ日本人の働き手がいないのだ。
猫の手も借りたいのなら外国人を優遇して当たり前。
牛馬の如き過酷な労働を強いる意味が全く理解できない。(牛馬に失礼か)
外国人労働者の多くはアジア人。
ベトナム、中国が多い。
いわば同胞でもあるはずだが、碧眼紅毛の西洋人に対するコンプレックスが亜細亜人を蔑む行為に向かわせる。
恥ずべきことだ。
番組は8割を虐げられた人々に割いている。
残りが恵まれた人たち。
象徴的なのは同じベトナム人でありながら天国と地獄を味わう2例を取材していたこと。
1人は過酷な状況におかれ、徳島に対し呪いの言葉すら吐く女性。
もう1組は優しい雇い主に恵まれ楽しそうに鼻歌を歌う3人の女性。
まるで南北に分断された歴史を見せつけられるようだ。
彼らの運命を分けたものは何か。
第3作でその追及を期待したい。
番組を作れば賛否両論あるのは当然のこと。
後輩の元にも批判の声が聞こえている。
滑稽なのは「不幸な外国人ばかりではない」「ことさら徳島を悪く見せる偏向報道ではないか」などという頓珍漢な指摘があること。
ちゃんちゃらおかしい。
10の幸福があろうと、その影に潜むひとつの不幸を無視して良いはずがない。
人は汚いものは隠したがる。
だからこそ白日に晒すのがメディアの使命なんだと思う。
後輩に「あっぱれ!」を送っておこう。