小沢の桜を見た後、二本松へ向かいます。
その途中、「いわしろ農産物直売所 さくらの郷」に立ち寄ります。
ここの直売所には食堂があって、土日祝日限定で石釜焼きのピザを食べることができます。敷地内に石釜があり、注文してから約10分程度で焼き立てを食べることができます。
食材は地元のものを使用しているようで、おいしかったです。新鮮な食材を使ったおいしい食べ物に出会えることも旅先での楽しみのひとつです。
そして、次に向かったのは、西の大関「合戦場の枝垂れ桜」です。ほぼ八分咲きでしたが、菜の花とのコントラストが見事です。
むせ返るような菜の花の香りの中に立つこの桜は、実は2本あって、大林の夫婦桜とも呼ばれているようです。そして、三春の滝桜の孫に当たるとのことです。
急に雨脚が強くなりました。
そして、二本松市内に向かいます。二本松市内にも多くの桜がありますが、向かったのは二本松城跡の霞ヶ城公園です。
戊辰戦争で落城したこの城は、今では整備された綺麗な公園となり、日本さくら名所100選にも選ばれています。 その桜は満開でしたが、観光客は数えるほどしかいませんでした。
ここも震災の影響で、本丸跡は立ち入り禁止となっていました。また、公園内の建物も瓦や壁が崩落しており、被害は大きかったようです。
静寂の中、今年も桜は咲いています。
今回の旅行で最後に向かったのは、岳温泉です。
まずは、「空の庭」のレストランで遅めの昼食です。
注文したのは、ハンバーグステーキ。肉汁たっぷりでおいしかったです。
ここはほかにもショップ等も充実しいました。プチホテルもあり宿泊もできます。
そして、温泉タイム。日帰り入浴のできる宿の中で、行ったのは「あだたらの宿 扇や」。
昔ながらの温泉宿といった感じですが、非常に応対の感じの良い宿でした。最近は施設はよくても接客はいまひとつ、という宿も少なくないですが、こちらのほうがよほど好感が持てます。
お湯は酸性泉ですが、柔らかい感じで、いつまでも入っていたい感じのするいいお湯でした。色はややクリーム色の乳白色でしたが、実は普通は透明で、ごくまれにこのような色になるそうです。
ということで、今回の旅行は終わりです。
ところで、「空の庭」のメニューに、このような記載がありました。
「食事代の一部を被災者の方々へおとどけさせていただきます」
ここで、忘れてはいけないのは、岳温泉も被災地であること。津波の被害こそありませんが、紛れもなく最大級の巨大地震の被災地です。他の宿でも被災者の受け入れを行っているようですが、インフラや施設は少なからず被害を受け、まだ直ったわけではありません。さらに、余震や風評被害の影響も少なくないはずです。
にもかかわらず、被災者が被災者を救援するこの現状に対し、彼ら本来の収入である観光を盛り上げていくのも大切なことだと思います。
今回の旅行では、行きの高速のサービスエリアでは、被災地に向かうものと思われる、神奈川県のガス関係の人たちを見かけました。帰りの高速では、災害派遣の札を掲げた自衛隊の車両や、帰任すると思われる、数十台の愛知県の消防関係の車両とかを見かけました。また、津波で被災したと思われる自動車を運搬するトラックも見かけました。
東北道は、福島県にはいると、陥没やひび割れ跡を応急処置した状況で、路面はかなり荒れています。
まだまだ終わってはいないことを改めて実感しました。わずかでも日本の力になれるよう、心がけていきたいと思います。
最後に、今回訪れた先々で、必ず見かけたこの言葉で、今回の旅行記を終わりたいと思います。
「がんばろう福島」