所用で都内に出たので、神楽坂でランチをしてきました。
今回ランチしたのは「HASABON]、東京メトロ東西線の神楽坂駅からすぐです。しかしながら、細い路地を入ったところにあり、看板等も出ていないので、ちょっとわかりにくい場所にあります。
神楽坂は年に何度か行くので、かねてから一度来てみたいと思っていて、以前に予約なして行ったときには満席で入れなかったので、今回は予約をしてきました。
外見は古民家ですが、店内は茶室風のシンプルな造りです。
一階に一枚板のカウンターがあり、ここに6席、二階に6人程度までは利用可能と思われるテーブルが1個だけの小さな店です。
今回はランチコースを予約してあります。ランチコースは3品+デザート+抹茶です。
飲物はワイン、日本酒がメインですが、メニューに銘柄が書いてあるわけではなく、カウンターのスタッフに相談して選ぶスタイルです。
日本酒のペアリングができる、とのことなので、それを頼むことにしました。
普段から日本酒を飲む身としては、プロがどのような銘柄を合わせてくるのか、非常に興味があります。
一品目。 カマスのあぶり。
皮目に麹醤油を塗ってあぶっているとのことです。皮の香ばしさと、わずかに火の通った身の具合が絶妙です。野菜も非常に美味しく、ソースもちょうどよい塩梅です。
これに合わせられた日本酒は、「みむろ杉 純米大吟醸」
みむろ杉は、奈良 酒の神でもある大神神社のある三輪にある今西酒造の銘柄です。
陣米大吟醸ですが、酸と甘みがはっきりしていて、それがうまくまとまっていて、飲むと一瞬フルーツジュースのような感じがあります。
香りがそれほどきつくないのも好感が持てます。
我々の好みはかなり辛口よりに偏っているので甘口に感じますが、世間一般の基準だと平均的ですかね。
これは単品でオーダーしたグラスワイン。グラスワインも何種類かあるようで、おまかせでお願いしました。
酸が効いていて、個性的なタイプに感じました。
二品目。新たまねぎのスープ。
新たまねぎのおいしいところだけを抽出したような感じです。
二品目に合わされたのは、「太平洋 純米酒」。和歌山県新宮の尾崎酒造の銘柄です。これは知りませんでした。
ぬる燗で提供されましたが、ぬる燗で提供されるのは結構珍しいのではないかと思います。
ぬる燗だと結構酸が強く出て、力強い感じです。
三品目。 大山鶏のレモンソース。
きれいな切り口が感動的です。火の入れ方も感動的です。
レモンソースは酸味は感じられるもののフルーツっぽさはなく、これもおいしいです。
三品目に合わせるのは「正雪 純米大吟醸 備前雄町」。 静岡県清水の神沢川酒造場の銘柄です。
これは今までの二銘柄に比べたら落ち着いたバランスの取れた感じですかね。
最後はデザート。キウイのレモンソース 山椒 ライチのシート。
緑色の粉末は抹茶のパウンドケーキを細かくしたもの。
これも酸味のバランスが非常によいですね。
ここでデザートに合わせる珍しい酒がある、とのことなので、追加することにしました。
稲とアガベという会社の稲とホップ。名前の通りホップが使用された日本酒です。なので、厳密にいうと分類上、清酒ではありません。
ホップ、というとほろ苦さを予想しますが、実際には少しとろみのあるライチカクテル、といった感じです。
日本酒というより、今までとは概念が異なる分類の酒、という感じですかね。
最後に抹茶が提供されてコース終了です。
日本酒は、自分で選ぶとどうしても好みの銘柄とか、価格が選択のファクターになるので、プロの選択は新鮮で参考になりました。
次は何が出てくるか、予測できない楽しさがあります。
HASABONのランチコース、ランチとして考えると値段は高いかもしれません。しかし、内容を考えると、決して割高ではないと思います。
何かの記念日にまた来てみたい、と思いました。
<おわり>