次は熊野那智大社。青岸渡寺とは敷地がつながっており、下に下りることなく行くことができます。
平重盛手植えと伝えられる大楠。
昨年の台風被害から修復中の瑞垣の向こうには社殿があり、手前には八咫烏の像があります。
八咫烏といえば日本サッカー協会のマークで有名ですが、元々は記紀の中の神武東征で、カムヤマトイワレビコ(神武天皇)を熊野から宇陀に導いたといわれる三本足の烏です。ちなみに熊野交通のマークも八咫烏です。
まあ、普通に考えれば神武天皇に味方する、地元の有力者でしょうが、なぜ熊野に味方がいたのか、しかも、熊野では最初毒気に当たって全員倒れたが熊野のタカクラジが太刀を持ってくると全員立ち上がったとあります。最初は地元の豪族の抵抗で苦戦していたが、味方する豪族が現れて形勢逆転したということでしょう。
なぜ大和に行くのに道の険しい熊野なのか、太陽に向かって戦うのはよくないといいながらなぜ東からではなく南から攻めあがったのか、熊野の熊とは何か、などと勝手に考えるのは楽しいものです。
帰りには熊野那智大社の参道を通りましたが、丁度アジサイがきれいでした。
長い階段を下りて駐車場に戻ると、すっかり晴れてよい天気です。
これで定期観光バスのすべての工程は終了、紀伊勝浦駅に戻って解散となります。
帰りの列車まではまだ時間があるので、駅に荷物を置いて昼食を食べに行きます。
当然マグロ料理、ということで今回行ったのは、「まぐろ三昧 那智」というお店。
和食だけではなく、イタリアンもあります。
こちらはまぐろづくし定食。+200円で中落ちをご飯に乗せることができます。
まぐろとパプリカのトマトソーススパゲッティ。
ここのマグロはビンチョウマグロが主体で、あっさりした味わいと値段の手ごろさが売りです。癖がないためイタリアンとも相性は良いようです。
逆に、神奈川の三崎のようなイメージで行くとちょっと違うかも知れません。
昼食を食べてもまだ時間があったため、再び「ホテル浦島」へ温泉に入りに行きました。ここの桟橋の下には、カラフルな水色の魚が泳いでおり、南国だと感じます。
これで今回の旅行は終了。再び「ワイドビュー南紀」で名古屋まで戻ります。
この列車は臨時列車です。東京方面に帰るにはベストの時間なのですが。臨時列車だけあって、列車交換ではほぼすべて定期列車に道を譲るため、定期の「ワイドビュー南紀」より20分ほど所要時間が余計にかかります。
今日は天気が良いので、海がきれいです。が、海側の丁度目の高さに太いケーブルが何本か張られていて目障りなことこの上ありません。
紀勢本線は津までは最高速度85km/hですが、津を過ぎると110km/hとなります。伊勢鉄道に入ると、元々短絡線として建設されただけあって線形も良く、しかもほとんど複線のため快調に走りますが、それも南四日市まで。この先名古屋までは列車本数が多く、単線区間も多いためうんざるするほど対向列車待ちがあり、結局対向列車の遅れを取り戻せず約5分遅れで名古屋に到着。
名古屋からは再びN700系で東京に戻りました。
初めての南紀旅行でしたが、いずれまた行ってみたいと思います。今度は紀伊半島の西側と、熊野大社本宮も行かないと。
<おわり>