今日は灘に行ってみようと思います。
灘は言わずと知れた日本酒の名産地、現在でも26の酒蔵があり、日本酒の約25%が灘で生産されているとのことです。
灘、と言っても範囲は広く、東は尼崎の近くから西は三ノ宮の近くまで海沿いに広がっています。そのため5つの地域(郷)に分かれており、灘五郷と呼ばれています。
ちなみに灘の日本酒は地酒ではありません。
江戸時代、灘と京都の伏見の酒が評判となり、それに対し、地方で造られるあか抜けない酒、の意味で使われたのが地酒の始まりと言われています。
なので、灘、伏見の酒を地酒と呼ぶのはある意味失礼に当たると思います。
三宮から阪神電車で灘に向かいます。
やってきた直通特急は山陽電鉄5000系。山陽電鉄の車両に乗るのは初めてです。
最近では珍しくなったアルミ無塗装車体に、3扉転換クロスシートを備えた、いかにも関西らしい車両です。
特急で2駅、8分の魚崎駅で下車します。
魚崎は灘五郷のうち、魚崎郷と御影郷の最寄り駅になります。駅舎の中も灘押しになっています。
駅を出たところには酒蔵案内の看板があり、便利です。
駅のそばを流れるのは住吉川、この方向で住吉川の右側が御影郷、左が魚崎郷になります。
住吉側は河川敷が遊歩道になっています。住宅街の中を流れる川にしては驚くほど水がきれいで、灘が酒の名産地になった理由がわかるような気がします。
飛び石で対岸に渡ることができます。
駅から対岸に渡り、少し歩くと看板が見えてきます。
菊正宗酒造記念館に到着。
菊正宗酒造は酒蔵の中では名門と言って良いでしょう。当主の嘉納家は、後醍醐天皇に酒を献上して嘉納の姓を賜ったと伝えられています。
近くにある最大手の白鶴酒造嘉納家も一門で、さらに柔道の創始者嘉納治五郎も一門の出身になるそうです。
酒造記念館は昔の酒造りの道具や資料が展示されています。
売店、唎酒コーナーもありますが、こちらは驚くほど外国人ばかり、インバウンド向けのツアーでもあるのでしょうか。
そのためか、記念館のパンフレットは日本語の他に7か国語が用意されています。
今や日本酒は海外でも人気のようです。
外国人に圧倒され、ここでは何も買わずに次の酒蔵に行くことにします。
<その3に続く>