ぽつお番長の映画日記

映画ライター中村千晶(ぽつお)のショートコラム

わたし出すわ

2009-10-09 19:25:01 | わ行
風邪、一転してだいぶよくなりました。
一部のかたにはご心配を
おかけいたしました。あいすみません。

で、今回はちと残念な映画を…

「わたし出すわ」50点★★


森田芳光監督が
深津絵里主演の「(ハル)」(懐かし~)以来
実に13年ぶりにオリジナル脚本で作った映画。


舞台は北海道・函館市。

久々に故郷に帰ってきた麻耶(小雪)は
仲の良かった同級生たちに会い

彼らの夢やしたいことを聞いては
「わたし出すわ」と
なぜかポンと
大金を出してくれる…という
夢のような(?)不思議なお話。


お金の使い方を通して
幸せってなんだろう?ということを
考えさせる映画です。


どことなくエッチ?というか
耳に残るタイトルセンスや
“お金”という難しいテーマを扱いつつも
意地汚さや品のなさを一切感じさせないところは
悪くないのだが


とにかく
森田リズムとしかいいようのない
独特のスローテンポや
わざと間を外したような会話が

1980年~90年代チックで
いまの時代、生理的に受けつけにくいのです。



例えば「空気人形」の是枝監督とか
「ぐるりのこと。」の橋口監督とかが持っている
「いま」の空気感が
すごく必要な種類の映画なのに


20年前と変わらない「空気」で
映画を作り続けているのかなあ、という
ズレを感じてしまうのだ。


なかには笑いを誘うシーンもあるので
残念!というところでした。


映画監督も空気を
読まないといけない時代なんでしょうな。


★10/31から恵比寿ガーデンシネマ、新宿バルト9ほか全国で公開
コメント (4)
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