2時間40分、ぜんっぜん辛くなかった。
もっと世之介といたかった。
「横道世之介」79点★★★★
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1987年、春。
18歳の横道世之介(高良健吾)は
大学進学のために、長崎から上京してきた。
大学でなぜかサンバサークルに入ったり、
一見とっつきにくそうな同級生(綾野剛)に
平気で声をかけたり、
フツーでいて、しかし不思議な“味”を持つ世之介は
様々な人と関わり、大学生活を送っていく。
ある日、世之介は
お嬢様ふうの祥子(吉高由里子)と出会うのだが――。
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試写室で人がブッと盛大に吹き出すのを
久々に聞きました(笑)
「キツツキと雨」も好きだったけど沖田修一監督、いいですねえ!
ホントにささやかなる、
しかし「ピン!」ときさせまくりの描写がうまい。
冒頭、斉藤由紀のAXIAの看板で(若い人、知らんでしょ。笑)
テロップなしに、80年代が舞台であることを
静かにバーンとわからせて。
長崎から出てきたフツーの青年、世之介の
人懐っこく、スルリと人の懐に入っていく様を
すいすいと描いていく。
派手な事件が起こるわけでなく、
だれもが通ったような道を、繊細で温かなまなざしで描き、
見る人、誰もを優しさで包んでく。
見ていくうちに世之介は、誰もにとって
お人好しで、フツーで、
感じよくて、かけがえのない存在になっていき
そこに彼がいるだけでクスクス、ニッコリしてしまう。
演じる高良健吾がすごくいいね!
この先の予感に胸がキュッとなりますが
「彼に会えたことが嬉しい」と、心から思える、
そんな時間を過ごせると思いますよ。
映画が先だったので
見た後、原作を読もうと思ったけど
最初の数ページで「あ、映画と一緒だ!」と
なんか逆に保留中(笑)
原作ファンも必ず、納得できると思います。
★2/23(土)から新宿ピカデリーほか全国で公開。
「横道世之介」公式サイト