こういう“ぼっち”な題材は
本来、日本が得意とするところだと思うんだ。
「her 世界でひとつの彼女」68点★★★☆
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そう遠くない未来のロサンゼルス。
妻と離婚調停中のセオドア(ホアキン・フェニックス)は、
一人茫漠とした日々を送っている。
ある日、セオドアは
「あなたの話を聞き、理解してくれる」という
最新型OSをパソコンにインストールする。
それこそが人工知能を持つOS、サマンサ(声、スカーレット・ヨハンソン)。
知識をどんどん吸収して成長する“機械”のサマンサと
どんどん親密になり、満たされていくセオドアだったが――?!
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スパイク・ジョーンズ監督・脚本。
本年度アカデミー賞オリジナル脚本賞受賞作です。
まずは
現在より、ほんのちょっと未来な感じの
不思議な空気感が印象的。
画面に必ず入る赤色(コーラルレッド)や、
インスタグラムのエフェクトのような褪せた色合いなど
めちゃくちゃ雰囲気あります。
都市の感じとかが
「フォスター卿の建築術」の
未来の都市のデモ画面みたいなのも、おもしろかったー。
で、お話はというと
iPhoneの音声認識機能が数段進化したような(そういいと夢がないか・・・苦笑)
自分で学習し、進化していく人工知能(AI型)OS“サマンサ”に
恋をしてしまう男の物語で
主演のホアキン・フェニックスも
傷ついた男の空虚な「ぼっち」感を物憂げに表現してるし
“声”でしか登場しないスカーレット・ヨハンソンの存在も贅沢で
ほぼホアキン氏の一人芝居なのに惹きつけられます。
なにより
テーマといい、世界観といい、
すごーく“ジャパンメイド”な気がするんですよねー。
是枝監督の「空気人形」を思い出したもん。
しかし、人工知能(実態なき)相手との愛の結末として
ワシはもっと斬新な展開と、結果を見たかった、というのが本音。
それにさ、かすれ声のスカヨハは確かにセクシーだけど
OSにはちょっと使われないタイプだよね(それを言っちゃおしまいよって)
まあ、そもそもワシ
「かいじゅうたちのいるところ」(10年)も全然わからなくて(苦笑)
しかし「あれが好き!」っていう方も多いし、
この映画も、アカデミー賞オリジナル脚本賞だし、
試写室でもおばさま方が「すっごくいいのよ!」って言ってるの聞いたし。
きっとね、観ると
いいのかもしれませんよ!(オイオイ。笑)
★6/28(土)から全国で公開。
「her 世界でひとつの彼女」公式サイト