これは・・・キタ。


「オール・ユー・ニード・イズ・キル」80点★★★★




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謎のエイリアン“ギタイ”からの攻撃で
世界が滅亡に追い込まれている未来。

軍の広報担当で戦闘スキルゼロのケイジ少佐(トム・クルーズ)は

ある日、なぜかいきなり戦地に送り込まれ

案の定というか、
開戦5分で命を落としてしまう。

が、次の瞬間、
彼は出撃の前日に戻っていた。


いったい、彼に何が起こったのか――?

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これは・・・すごい。

久々に「新しい眼が開いた」SFでした。



桜坂洋氏の原作を
トム・クルーズ主演で、気合いたっぷりに映画化。
原作未読ですが
メイド・イン・ジャパンの“感性”が、
超スケールの映像に融合した成功例だと思います。

圧倒的な敵“ギタイ”によって
絶望的な状況にある地球。

そのヤバい度合いを
現在の日常の延長上にスムーズに想像させる序盤は
「パシフィック・リム」的な雰囲気。

そこに、元々広告会社勤務だったという
武器を持ったこともない主人公(トム・クルーズ)が登場。

IMAXで観るとより臨場感ハンパない戦場に放り込まれ、


あっという間に死亡する。
「え?

しかしなぜか次の瞬間、
時間がまた戦地に行く前に戻っている。


ここからが恐ろしいのが
彼は
その日から、何回も何回も何回も
出撃しては死に、また前日に戻るの無限ループを繰り返すんですね。

何度も何度も、延々と死ななきゃいけないなんて
かなーり地獄(苦笑)

そのループのなかで彼は
少~しずつ知恵をつけて
前日と“違う手”を試みるようになる。

彼はそのループの秘密を握る
女性兵士(エミリー・ブラント)に出会うことができるんですが、
それからも、まだまだ秘密は深い・・・という。

この経緯を読んで、ピンと来た人はわかるはず。
そう、
この映画はゲームで何度も何度も死にながら

ボスキャラを倒す努力をしたことがある人なら
絶対に“わかる”はず。


この映画にあるのは
何度死んでも、へこたれずに同じステージを繰り返し、
信じられないような持久力と、努力の積み重ねたのち

ようやく「次のステージに行けた!」


よく似た感覚なんですね。

いま考えると信じられないような
あの、集中力や忍耐の美学。

そんなゲーマー・スピリットに、
この映画はきっと呼応するはずです。


何度も繰り返すシーンや展開を、
飽きずに見せる工夫もうまいし、
同じトムさんの「宇宙戦争」のように
序盤はめちゃくちゃおもしろいのに
ラストはよくわからないまま強大な敵が死んで「???」とかいう
SF映画にけっこうありがちな
がっかり感がないのもいい(笑)

拍手!


★7/4(金)から全国で公開。
「オール・ユー・ニード・イズ・キル」公式サイト