「こう描いてきたか!」と
たぶん、どんな想像も超えてくるだろうな。
「スティーブ・ジョブズ」74点★★★★
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1984年。Macintoshの発表会の日。
本番40分前の舞台裏で
スティーブ・ジョブズ(マイケル・ファスベンダー)は
部下アンディ(マイケル・スタールバーグ)に
「(プログラムを)直せ」と言い放っていた。
Macintoshが
「ハロー」と音声を発しないのだ。
それがなければ発表会を中止する!と怒るジョブズを
右腕であるジョアンナ(ケイト・ウィンスレット)がなだめている。
一体、発表会はどうなってしまうのか?!
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自伝本もあり、すでに映画化もされ、
誰もが知っている現代の偉人スティーブ・ジョブズを
これ以上、どう描くのか?
誰もが思ったその疑問に
ここまで「スコーン!」と気持ちよく応えてくれるとは
驚きました。
さすが
「ソーシャル・ネットワーク」の脚本家
アーロン・ソーキンの筆はすごい。
1984年、Macintoshの発表会に始まり
歴史を変えた3度の発表会の
直前の舞台裏に舞台を絞り、
ひたすら会話で繰り広げられる劇。
そのなかで彼と娘との関係、
周囲の人々の関わりがあぶり出されてくる。
思考させる映画であり、
ジョブズやこの時代をあまりよく知らない人にとって
物語として面白いかどうかは正直わかりません(笑)。
しかし、いずれにせよ
「こう作ったか!」という創造の醍醐味を
見せてくれる映画だと思います。
冷淡で、変人で
人間としては最低だったと言われるジョブズ。
しかし同時に人を動せる才能と魅力を
どう共存させていたのか?
その謎を
「発表会の本番直前」という極端に抽出された細部を
異常なまでに描き込むことで、
立ち上がらせてくるのがすごい。
ジョブズ役のマイケル・ファスベンダーも
そっくりさんではないのに、その人だ、と確信させる
演技が確かにスゴイ。
アカデミー賞主演男優賞、有力だけど
でも、この人は、また獲れる!
今回はディカプリオにあげて欲しい~!
(なんだか気分は2008年「レスラー」のミッキー・ロークのときみたいな感じ。笑)
★2/12(金)から全国で公開。
「スティーブ・ジョブズ」公式サイト