なかなかのミステリーでした。
「虹蛇と眠る女」72点★★★★
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オーストラリアの砂漠地帯にある
小さな町。
キャサリン(ニコール・キッドマン)は
夫(ジョセフ・ファインズ)と
娘のリリー(マディソン・ブラウン)、
まだ幼さの残る息子トミー(ニコラス・ハミルトン)とともに
都会から、越してきた。
キャサリンの心配事は、思春期まっただ中の
娘リリーのことだ。
そんなある朝、一家に異変が起こる。
二人の子どもたちが
忽然と姿を消したのだ――!
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ニコール・キッドマン主演の
オーストラリア映画。
失踪ミステリーであり、
心理サスペンスであり、
さらにホラー、というか怪奇に通じるような
異形の作品です。
導入から不安を煽る旋律が響き、
けっこう怖い。
で、
「子どもたちの失踪」という出来事が起きるわけですが
「事件だ!」「捜査だ!」というよりも
どこか神隠し的な要素をはらんでいるというか
オーストラリアの過酷な自然、先住民の信仰など
“大きな不気味”の存在を
うまく演出し、不安を煽るんですねえ。
しかし同時に
性的に早熟な娘の危うさ、一家を取り巻く田舎町の閉塞や噂話、
さらに家庭内部に問題が――?!など
リアル世界の淀みがどよんと物語を覆っていく。
なので
リアルと神秘のどっち側の事件なのか
けっこう揺さぶられる。
なかなかよくできているのです。
ヒタヒタと静かにだけど
けっこうエロスにも満ちていて
ヒヤヒヤしながら引き込まれました。
ニコール・キッドマンのすべてをさらけ出した
体当たり演技も迫力ですよ。
★2/27(土)からヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国で公開。
「虹蛇と眠る女」公式サイト