ぽつお番長の映画日記

映画ライター中村千晶(ぽつお)のショートコラム

3月のライオン

2017-03-18 17:58:26 | さ行

ぼくのりりっくのぼうよみ、を
教えてくれて感謝。


「3月のライオン」(前編3/18、後編4/22公開)70点★★★★


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17歳の桐山零(神木隆之介)は
中学生でデビューしたプロ棋士。

9歳のとき交通事故で家族を失い、
プロ棋士の幸田(豊川悦司)に引き取られたが
いまはある理由から、一人暮らしをしている。

孤独な彼には、将棋しかなかった。

ある夜、道で倒れた零は
近所に住むあかり(倉本カナ)に助けられる。

あかりの妹ひなたと、末っ子のモモの三姉妹は
零が知らなかった
あたたかな団らんをもたらしてくれる。

だが、そんな零に試練が待っていた――。


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最近、どうも前後編ものは敬遠しがちで(スイマセン)

でも
原作読んでたし、ロケ地が近所だし、
やっぱり気になって見たんですが
前後編合わせて、予想以上にキタ、という(笑)

最初はどうも暗ーいムードで(お葬式シーンからだしね・・・)
スローペースで、
うーん・・・と思いもしたんですが

桐山VS島田プロ(佐々木蔵之介)あたりから歯車がまわり出し、
がぜん、おもしろくなってきた。


原作の「ふわっ」な部分をかなり排除し、
「るろうに剣心」的な“闘い”方面に振り切っていて
「なるほど」と思った。

もしかして映画先に見た人は
原作コミックを見て、ちょっとびっくりするんじゃないか?と思うほどの
ガチ勝負で

それぞれに背負うものを持って闘う、棋士の精神性が
原作よりもつかめた気がしました。

「聖の青春」よりさらにガチ将棋見せ!なので、
何が起こってるか、どっちが勝ってるのか、置いてけぼりなんですが(苦笑)
将棋ファンには、よりおもしろいと思う。


前編は桐山少年の孤独をみっちり描き込み、

後編で、彼に関わるあかりたち三姉妹の問題――
いじめや、姉妹の父親登場などを盛り込み
そのなかで桐山少年が、人間的に成長を遂げて行く様子を描いている。

そして高校の先生役、高橋一生氏が
これまたい~いポイントになってるんだな(笑)

あと
彼が育てられた幸田家について
みっちり描いたのも、ちゃんと補完になっていた。

前編のエンドロールの曲が
桐山少年にあまりにピッタリで「うわっ」と思ったら
ぼくのりりっくのぼうよみ、というアーティストだった。
ハマリましたよ。


★3/18(土)から全国で公開。後編は4/22(土)から公開。

「3月のライオン」公式サイト
コメント
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