日本で劇場公開される
初めてのパキスタン映画。
「娘よ」70点★★★★
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パキスタンの山奥。
部族間の争いが絶えないこの地域に
若くして嫁いだアッララキ(サミア・ムムターズ)は
10歳になる娘ザイレブだけが生きがいだった。
が、そんなとき
部族間の衝突を解決するため
アララッキは敵方の年老いた部族長に
娘を嫁がせなければいけなくなってしまう。
アララッキは決死の覚悟で
娘を連れて、村から逃げ出すのだが――?!
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パキスタン出身で、アメリカで映画制作を学んだ
女性監督アフィア・ナサニエルの長編デビュー作。
テーマは社会派の面持ちですが
映画としては、けっこうしっかり
エンターテインメントとして作ってある。
母娘の逃避行に、かな~りハラハラしつつ
手に汗握りながら見ました。
パキスタンの北部っていうと
あのマララ・ユスフザイさんの出身地のほうでもあり
本当に昔ながらの「掟」に従ったような村の暮らしがある。
男たちは部族間のルールに従い、
どんな相手にも躊躇も容赦もなく、引き金を引く。
そんな様子をチラッと見せるだけで、
胃の縮むような思いにさせるのがうまく
若い母親と娘が
石を積み上げた迷路のような村のなかを逃げるシーンとか
もう「早く!早く!」のドキドキ。
そんな命がけの道行きの背景に映るのは
広大なパキスタン北部の風景で
これがすごく美しい。
ドラマを見ながら
見知らぬ土地の様子を知らせてくれるという
おもしろさもありました。
発売中の『AERA』(3/27号)に
アフィア・ナサニエル監督のインタビュー記事が掲載されています~。
元々コンピューター・サイエンティストから
映画監督になったという才媛。
この物語は「実話」からインスピレーションを得ているんだそうです。
映画と合わせて、ぜひご一読を~★
★3/25(土)から岩波ホールで公開。ほか全国順次公開。
「娘よ」公式サイト