ぽつお番長の映画日記

映画ライター中村千晶(ぽつお)のショートコラム

Vision

2018-06-04 19:37:04 | は行

 

河瀬直美監督×永瀬正敏×ジュリエット・ビノシュ!

 

「Vision」70点★★★★

 

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紀行文を執筆中のフランス人女性ジャンヌ(ジュリエット・ビノシュ)は

奈良・吉野の山深い森にやってくる。

 

彼女は山守の男・智(永瀬正敏)と出会い、

彼の家に泊めてもらうことになる。

 

ジャンヌはこの村に昔から伝わる「ビジョン」と呼ばれる薬草を探していた。

 

智が薬草に詳しい知人で目の不自由なアキ(夏木マリ)に

ジャンヌを紹介すると

アキは、全てを知っているかのようにジャンヌにこう言う。

 

「あんただったんだね」――。

 

ジャンヌの探す「ビジョン」とはなにか?

そしてそれは、人類に何をもたらすのか?!

 

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千年に一度現れるという幻の植物「ビジョン」を探す女性(ジュリエット・ビノシュ)と

孤独な山守の男(永瀬正敏)の出会い。

 

そして、そこに巡り合わされた運命。

 

そのすべてを包み込む、奈良の自然の神秘と魔界に包まれる――

なんとも不思議な映画でした。

 

 

そこにある光も、トンネルの闇も、すべてが魔界的で、

美しく癒やされながらも

終末や妖しの予感に包まれている。

 

 

「千年に一度起こること」とは何なのか?

様々な謎に、解はあるのか?

 

すべては観る人にゆだねられる。

 

そして突然現われる謎の青年(岩田剛典)といい

生と死のやりとり、というか、死の予感はずっとつきまとうんですね。

 

さまざまを考えせるけれど

これは

分断や虐殺止まぬ世界への、監督の映像のよる言葉であり、「言霊」なのだろうと

ワシは受け取りました。

 

 

そして、おもしろいことに

この観る人への解のゆだねと、命のやりとりという感覚は

奇しくもやはり海外スタッフとの協力で撮影された

ディーン・フジオカ主演×深田晃司監督の「海を駆ける」

不思議な共通点があるようにワシは感じました。

 

★6/8(金)から全国で公開。

「Vision」公式サイト

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