ぽつお番長の映画日記

映画ライター中村千晶(ぽつお)のショートコラム

フジコ・ヘミングの時間

2018-06-15 18:00:17 | は行

 

よくここまで見せてくれたなあ!と驚き。

 

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「フジコ・ヘミングの時間」74点★★★★

 

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数奇な運命と苦難ののち、

60代後半で見出された奇跡のピアニスト、フジコ・ヘミング氏。

 

彼女の初のドキュメンタリー映画です。

 

想像より、ずっとボリューミーで

その充実度に驚きつつ、堪能いたしました。

 

 

日本人ピアニストの母と

スウェーデン人デザイナーで建築家だった父の間に生まれた彼女の生い立ち、

幼少時代の戦争体験から、少女時代の絵日記(上手!)

留学時代、そして現在の暮らしーーと

 

年齢非公表な彼女の、年齢も判読できるくらい、

時代を追った詳細な描写で

パーソナルな部分に迫ってます。

 

しかも

「苦難の人生!」にドラマチックにフォーカスするのでなく

パリの自宅で猫と暮らす日々、思うこと、その語りから

自然と、その人生と哲学に触れられるような作りが、

おだやかで優しくて気持ちいい。

 

パリだけじゃなく

下北沢、カリフォルニア、ベルリン、京都と世界に点在する自宅まで公開され

そのインテリアのすてきなこと!猫たちの可愛らしいこと!

こんなに見せてもらっちゃっていいのかしら、というほどです。

 

もちろん、演奏シーンもたくさんあって

情感溢れるその演奏が

映し出される彼女の人生の歩みと相まって、より琴線に触れてきました。

(ワシは断然ドビュッシーの「月の光」が好き。

 

 

1964年生まれの小松莊一良監督は

2年間、世界中をまわり、フジコさんを追いかけたそう。

 

おなじみ「AERA」の取材でお二人にお目にかかりましたが、

信頼関係めちゃくちゃ深くて、うらやましいほどでした。

 

いま発売中のAERAにフジコ・ヘミングさんインタビュー、記事が載っています。

dotでも読めますので

映画と併せてぜひ~

 

★6/16(土)からシネスイッチ銀座ほか全国順次公開。

「フジコ・ヘミングの時間」公式サイト

コメント
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