「裸足の季節」監督の新作。
いわゆるイイ話、とか予想するとまったく超えてきます(笑)
「マイ・サンシャイン」71点★★★★
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1991年、LA・サウスセントラル。
15歳のアフリカ系アメリカ人少女ラターシャが
食料品店で韓国系女性店主に撃ち殺される事件が起きた。
彼女が万引きしたと勘違いした店主に
背後から撃たれたのだ。
だが裁判の結果、店主には保護観察と罰金500ドルという
軽い判決が出る。
l地元民たちの怒りが高まり出していた。
そんな街で
ミリ―(ハル・ベリー)は大勢の子どもと暮らしていた。
彼女はさまざまな理由で親と暮らせない子どもたちを保護し、育てているのだ。
ミリ―の隣人オビー(ダニエル・クレイグ)は
やかましい一家に文句を言いながら、彼らを見守っている。
そんななか、街の混乱はやがて
ミリ―の家族にも影響を及ぼしていく――。
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「裸足の季節」で鮮烈長編デビューを飾った
トルコ生まれのデニズ・ガムゼ・エルギュヴェン監督の新作。
1992年、ロス暴動が起きる前。
大勢の子を育てる黒人女性(ハル・ベリー)と
いがみ合う隣人(ダニエル・クレイグ)の物語。
おもしろい・・・・・・んですが、なんとも言えなすぎる(苦笑)。
文法が違いすぎて、簡単には理解不可能というのでしょうか
普通に想像する「イイ話」とか
予想を全然超えてくるんですよねえ(笑)
冒頭、15歳のアフリカ系アメリカ人少女ラターシャが
謝って射殺された事件からはじまり、
ミリーがなんでこんなに大家族なのか?
憎みあってた隣人(ダニエル・クレイグ)がなぜ、子どもたちを家に入れたのか?とか
あまり「段階を踏まず」にトントンと進むので
ワンシーンまるまる飛んでしまったかのような唐突さがあったりする。
それでも、92年のロス暴動がなぜ沸点に達したのか、
あのとき何があったのか?の臨場感は抜群。
その騒乱のなかで
たぎるような人間の生や勢いが、生々しく濃縮されていて
とても87分とは思えない濃さがありました。
文法とかよりも
「心が動いたそのとき」の感覚を大事に表現したい。
そんな感じかなと思いました。
★12/15(土)からヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館、渋谷シネクイントほか全国公開。