もっとファンタジックかと思ったけど予想外。
「その女アレックス」の作者の原作なんだ。なる!
「天国でまた会おう」71点★★★★
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1918年、11月。
第一次世界大戦の前線にいた
中年の兵士アルベール(アルベール・デュポンテル、監督と主演)は
絵の才能のある若き兵士エドゥアール(ナウエル・ペレーズ・ビスカヤート)と知り合う。
だが「もう戦争も終わりだ」というときに
アルベールは戦争が大好きな上官のプラデル(ロラン・ラフィット)が
ある悪事を働いたことに気づき
そのことでプラデルに殺されそうになる。
危機一髪のところをエドゥアールに救われるが
そのときの爆発で、エドゥアールは顔の半分を失ってしまった。
病院でエドゥアールに
「家に帰りたくない」と懇願されたアルベールは
エドゥアールを戦死したことにして、別の名前を彼に渡す。
そしてパリに戻ったアルベールは
エドゥアールの面倒をみながら、一緒に暮らすのだが――?
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上記のあらすじが、まだ、ほんのさわり、ということを思い
いま物語の濃さに改めて驚いております(笑)
プレスのビジュアルからも
もっとファンタジックなアート映画かと思ったけど
いい意味で、想像と違った。
戦争の混乱の中でこそのトリック(というのかしら)と、奇妙さを併せ持つ
ほろ苦い、人生の一大顛末記、という感じ。
原作が「その女アレックス」の作者による傑作小説だそうで
なーる!と納得。
かなり壮絶な戦場の場面から始まり、
戦争で顔に傷を負った男、その彼に助けられた男、
偽の死亡届による入れ替わりや復讐も絡み
悪人キャラも実にいや~な感じに立ち
「どうなるの?」なミステリでもあり。
ストーリーラインがとにかくしっかりしてる。
そしてそこに映画的なエッセンスがうまく振りかけられているのでしょう。
どこかユーモラスで、ビターで
人間の愚かさを突く、寓話になっているんですね。
ふんだんに登場するアートの小道具といい、
路地裏の芝居小屋に迷いこんだような、
不思議な2時間を過ごせました。
原作未読ですが、ラストは原作と違うんだって。
ワシ、この終わり好きだけど、本も読んでみよ。
★3/1(金)から全国で公開。