ぽつお番長の映画日記

映画ライター中村千晶(ぽつお)のショートコラム

ブラック・クランズマン

2019-03-19 23:03:14 | は行

 

アカデミー賞、脚色賞受賞!

 

「ブラック・クランズマン」70点★★★★

 

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1970年代半ばのアメリカ、コロラド州。

街で初めて黒人刑事となった

ロン・ストールワース(ジョン・デヴィッド・ワシントン)は

晴れて希望していた“潜入捜査官”に任命される。

 

彼の任務は当時、一大ムーブメントとなっていた

「ブラックパンサー党」の演説会の危険度を捜査すること。

黒人である彼にしかできない任務だった。

 

ロンは白人ながら、まったく差別意識のない

捜査官のフリップ(アダム・ドライバー)らとチームを組み

無事に任務を終わらせた。

 

達成感にひたるロンは、今度は

白人至上主義の過激集団<KKK>に

「白人だ」とウソをついて電話をする。

 

そしてロンは幹部に気に入られ、<KKK>に招き入れられた!

 

これは一大潜入捜査になる!

でも、まてよ?

<KKK>にどうやって黒人刑事が潜入するんだ――?

 

そこでロンが考えた苦肉の策とは――?!

 

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最近、ごぶさた感あった

スパイク・リー監督が

1970年代に本当にあった「ギャグみたいな」実話を映画化。

 

もともとは「ゲット・アウト」(17年)の監督が

映画化権をゲットしていて

それを大先輩であるスパイク・リーに持ち込んだのだそう。

 

ムリクリな潜入捜査がいつバレやしないか⁈――というハラハラに

ひょこり、どっこい、みたいな笑いが同居し、

久々にスパイク・リー節を楽しみました。

 

同時に

まさに現在の「白人至上主義」な現状への嫌悪が

くっきりと露わになっていて

ハッとさせられました。

 

多くの意志表明を含むなかで

この映画には

アダム・ドライバーが不可欠だったなあと思う。

 

白人ながら、黒人への差別意識ゼロでラフ~な刑事を

自然に、フツーに、実に感じよく演じていて

それが映画全体をも、ニュートラルにする作用を持ってる。

 

が、そんな彼が潜入操作で

「白人至上主義者」のフリをするうちに

いままで意識していなかった

ユダヤ人としてのアイデンティティをほんのり目覚めさせていく――というあたりも

おもしろく、うまいなあと思いました。

 

★3/22(金)からTOHO シネマズシャンテほか全国で公開。

「ブラック・クランズマン」公式サイト

コメント
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