アカデミー賞、脚色賞受賞!
「ブラック・クランズマン」70点★★★★
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1970年代半ばのアメリカ、コロラド州。
街で初めて黒人刑事となった
ロン・ストールワース(ジョン・デヴィッド・ワシントン)は
晴れて希望していた“潜入捜査官”に任命される。
彼の任務は当時、一大ムーブメントとなっていた
「ブラックパンサー党」の演説会の危険度を捜査すること。
黒人である彼にしかできない任務だった。
ロンは白人ながら、まったく差別意識のない
捜査官のフリップ(アダム・ドライバー)らとチームを組み
無事に任務を終わらせた。
達成感にひたるロンは、今度は
白人至上主義の過激集団<KKK>に
「白人だ」とウソをついて電話をする。
そしてロンは幹部に気に入られ、<KKK>に招き入れられた!
これは一大潜入捜査になる!
でも、まてよ?
<KKK>にどうやって黒人刑事が潜入するんだ――?
そこでロンが考えた苦肉の策とは――?!
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最近、ごぶさた感あった
スパイク・リー監督が
1970年代に本当にあった「ギャグみたいな」実話を映画化。
もともとは「ゲット・アウト」(17年)の監督が
映画化権をゲットしていて
それを大先輩であるスパイク・リーに持ち込んだのだそう。
ムリクリな潜入捜査がいつバレやしないか⁈――というハラハラに
ひょこり、どっこい、みたいな笑いが同居し、
久々にスパイク・リー節を楽しみました。
同時に
まさに現在の「白人至上主義」な現状への嫌悪が
くっきりと露わになっていて
ハッとさせられました。
多くの意志表明を含むなかで
この映画には
アダム・ドライバーが不可欠だったなあと思う。
白人ながら、黒人への差別意識ゼロでラフ~な刑事を
自然に、フツーに、実に感じよく演じていて
それが映画全体をも、ニュートラルにする作用を持ってる。
が、そんな彼が潜入操作で
「白人至上主義者」のフリをするうちに
いままで意識していなかった
ユダヤ人としてのアイデンティティをほんのり目覚めさせていく――というあたりも
おもしろく、うまいなあと思いました。
★3/22(金)からTOHO シネマズシャンテほか全国で公開。