1970年代からの中国変動を織り込んだ
みずみずしい青春ドラマ!
「芳華」72点★★★★
*********************************
1976年、17歳の少女シャオピン(ミャオ・ミャオ)は
踊りの才能を認められ、
名誉ある軍の舞踊班「文芸工作団(文工団)」に入団する。
田舎出のシャオピンは、同級生たちのイジメにも遭うけれど
面倒見のよい“模範的”青年リウ・フォン(ホアン・シュエン)が
何かと世話を焼いてくれる。
シャオピンはリウ・フォンに淡い想いを抱くが、
彼は文工団のスター歌手、ディンディン(ヤン・ツァイユー)に想いを寄せていた。
そして同年、毛沢東が死去。
社会は騒然とし、文工団の公演も中止になる。
そして、ひたひたと近づく新たな時代の波に
団員の若者たちの運命も、翻弄されることになる――。
*********************************
1970年代からの中国近代史を描く一大叙事詩であり、
かつみずみずしい青春ドラマで
135分を飽きさせず、するすると見てしまいました。
文革時代、軍のなかで歌や踊りを担当する部署「文工団」に所属した
若き少年少女たちの日々。
その輝きのまぶしさ、すれ違う男女の想い、
そして壮絶な戦火のなかでの運命、さらにその後――が描かれます。
最初は登場人物の顔と名前がなかなか一致しなくて
苦労もしたんですが、
慣れてくると、激動の、しかもごく最近の歴史を生きた
市井の人々のドラマチックな物語にハマるんですねえ。
(だって1976年から95年って、めちゃくちゃ同時代の話だけど
中国のこんな状況、当時は全然知らなかったもの!)
1958年生まれのフォン・シャオガン監督は
自身も「文工団」に所属した経験を持っている。
その時代に想ったある人、ある出来事を
ずっと描きたいと思っていたそうで
うん、その甘酸っぱい想い、映像のみずみずしさが
ものすごく伝わってくる。
時代や状況は違っても、誰もにある青春の日を
懐かしく思い出させるだろうなと感じました。
★4/12(金)から新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ有楽町、YEBISU GARDEN CINEMAほか全国順次公開。